始めて火を見たとき
知りうる限りのものすべてが驚きに変化し
獣と人は分化された
小さな火
それは万物を囲う太陽の種子として
男と女 陰と陽 連続と不連続
火はひとつの高まる様式をもたらした
人はそこから叡知と理性を作り出し
火を制御する方法を見出した
いま千三百六十万人の五歳未満の子どもが
重度の消耗症に苦しむ
身長に比べて体重が少なすぎるのだ
免疫力も低下する
火から始まった人はいまも原始と全く同じく
風にも雨にも餓えにも怯え続け
コロナと気候変動 ロシアのウクライナ侵略
さらに壊滅的な栄養不足が進行する
逆さまの火たちが襲いかかる
その時 自分たちだけが無キズではいられない
いま ひとつしかない階段 火の匂い
否定し続ける火といのちを守る火
いま 火が滅びる前に
火の種が身籠っているうちに
人としてやるべきことを
この先の百年後の人たちのために
2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します