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妄想

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全くの妄想です。
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記事一覧

藤沢の月

藤沢の月は ホームに浮かんでいて 遠い どうしよう スナックで隣同士並んでいて パンパン叩か…

詩)戻れない世界

知り合いの詩人の絵画展があるので関内へ行く そこからやっぱり詩人の詩集出版記念朗読会で日…

詩)不問

「おお神よ これはいったい何ですか? 彼らはわずかな小麦粉を求めて身をかがめ そうっとやっ…

詩)人間の自由に関する一考察

いやだという自由 命令を拒む自由 虚偽の報告をしない自由 数字の操作によって間違った報告を…

詩)からっぽの僕は

もし 僕が死んで 墓石もなく 墓碑銘すら刻まれなかったら 僕の人生は存在したと言えるだろう…

詩)僕は 

僕は ひとりだ 裸だ 僕は 好きだ 雨だ 僕は 感じる 罪だ 僕は まのねけた炭酸水 言えな…

詩)胸騒ぎの腰つき

好きな人と腕を組むこと 暑いねと共有すること 階段を一緒におりること どうでもいいことを一所懸命言い合うこと お互いの声を少し下げたり上げたりすること お互い何か聞いたり話したりすること これがいいとかダメだとか言い合うこと 少し気持ちを隠して 話すこと 夜風が気持ちいいと思うこと もうお互いはこれ以上いかないのに 少し想像してみること 不思議なくらい同じ気持ちになること 不思議なくらい 好き と思うこと それは今日だけで 明日はもうないだろう そう思いながら 茅ヶ崎行きの

詩)真夜中のデモ行進

真夜中の高層マンションの最上階の非常階段 五メートルもあろうかという蝉が張りついて鳴いて…

詩)僕の鳩は地球の上で

地球の上を飛ぶ 小さな山鳩 僕は小さな欲望で生きている 悲しいくらいの 貴方を もし小さな…

詩 ノックの音 

不意にドアがノックされる。 ああ君か。どうしたの、こんな時間に。 なにかあったのかと心配…

詩)アイラブユー

尾崎豊を聴きながら 窓叩く風に頬寄せて 街に埋もれそうな 今日の出来事 なにもないよ 実際…

詩)夢の中の夢

なにもない ほんとうは なにもない ディパックに 顎をのせ 鞭の音を聴く 階段の下は 突き立…

詩)本読みの悲しみ

中野の書店併設の ブックカフェには お席の利用は60分までとある 女性がふたりで喋っている …

詩)永遠

出口のない入り口に入る あるコーヒーショップで ぼくの左側に白髪の老夫婦が座った 男が切り出した 今年は神輿が出るらしいよ 女性はそうといい 興味なさそうにアイスコーヒーの氷をくるくる回している 男は話しかける 女は目の前のサンドイッチを食べる ただそれだけの光景だった きっと 永遠に こんな風で 入り口しかない わかったし わからない わかったような それも違う そんなふうにない出口を求めているのかいないのか 入り口があるのだから出口があると信じて そんなふうに よく