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note詩を読んで~僕が出会ったきらめく詩作品

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noteには膨大な数の詩作品があります。その中で僕が出会ったきらめく作品を紹介させていただきます。大変僭越ですが、少し応援するつもりで。もっとたくさんの人の読まれるといいなあとい…
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#日記

わたしは、1人いたらいい。

わたしは ひとり いたらいい。 わたしは この世に1人だけ だから 愛する男は 1人いたらいい たくさんの男に ちやほやされて 楽しいのは その一瞬 わたしは わたしを大切にしてくれる たった1人が いたらいい わたしは この世にたったひとり ほかのだれとも 重ならない 生まれてくる時も しにゆく時も たったひとりのわたしを わたしが愛するように わたしを愛してくれる人が いたらいい わたしは、1人、いたらいい。

[すこし詩的なものとして]0057 人はとは

うすら寒い 霧時雨 傘にうちになんとも言えない かなしい気持ちがおそってくる 何がかなしいのか あまりに曖昧で あまりに滑稽 前を歩く人たち 傘のうちに灯りがともる ああ そうかそうなんだ 羨望なのだ 羨望がかなしくさせるのだ あの灯りがほしいのだ 腕に溜まる 水のつぶ さっとひと振り払いのける 空はほの暗く さざなむ雨音が虚しい ビルの合間を歩く 風がほほを切りつける こんな世界が本当なのだろうか これは誰の物語なんだろう かなしみの根源 そこには惰性 そこには