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おとうさんがきらいだった おとこだったらよかったなと いつもわたしにつぶやいた あにとわたしがはんたいだったら よかったのに と わたしもおもった おとこのくせに と いわれなかった おおきいんだから と いわれなかった わたしはおんなのすえっこで わたしは ちちのきにいりで それでも そんしているようだった おとうさんがきらいだった おおきくなったらなにになる そうりだいじんが わたしのこたえ だけど いえでえらいのは だんなさんだと おしえられた ほんきでそうだとおもっ
*「永別の詩」について*モノ書く人間の業というのでしょうか。 いえ、いい歳をしているのに頼りないことですが、単にわたしが父を送る為の、その最期(とき)までの心の杖のようなものが必要で、それで自分の為に書こうとしているのだと思います。 お許しください。 これは年古(としふ)りた娘が、去りゆく父へ送る最後の恋文なのかもしれません。 2020.12 つきの 2020年12月、父は癌の為、入院していたホスピスにて永眠いたしました。この「永別の詩」は、その父との日々を書いたもの