今日も風の夜
海を見ない日も結構ある。
とはいえ、海から1キロメートル以上離れていることはほぼない。要するに、すぐそこに海がありながら、海と関係なく暮らしが成り立っている。通勤のルートを変えさえすれば、毎日海を見て暮らすことは容易い。そんなふうにしてみてもいいかなとも思うけれど、なかなか重い腰は上がらない。
ずっとずっと周りを見ずに暮らしてきて、気づいたら、いつのまにか一人になっていた。
ずっとずっと周りを見ずに暮らしてきて、気づいたら、いつのまにか季節が変わり、島の姿が変わっていた。
置き去りにしてきたものやこと、忘れかけていたものやことは多いけれど、去年1年間は、そんものやことに再会し始めた1年間だった。
これからかな、と思う。これからだな、とも思う。
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