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プライド月間にリトルマーメイドが公開された大きな意味

※個人の感想&備忘録です

ディズニーを「女の子たちが好きなメルヘンなアニメ」だと縛り付けて
高校の卒業旅行でディズニーランドよりも
食品サンプル屋にテンションがあがっていたほどディズニーに無関心だった私ですが、
30代が少しずつ見えてきたこの歳に、言葉では言い表せないほど
素晴らしいメッセージが織り込まれたディズニーの魅力・素晴らしさに気づき
とっても引き込まれています。

そんなディズニー映画の数々ですが、6月9日にリトルマーメイドが公開されました。
この映画、世界でも(特に近年日本で)注目度が高まっているSDGsの要素が
隅々まで散りばめられており、その点も踏まえて最高傑作と言っても過言ではないほど最強の実写化映画でした。

織り込まれたメッセージ?

アリエル役にハリー・ベイリーを起用したことでも
公開前から大きな話題を呼んでいたこの映画ですが、
「多様性」だけにとどまらないたくさんのメッセージが込められていた気がしました。
順番にまとめていきます。

1 環境問題

今、世界では2050年には魚よりもプラスチックごみの方が多くなると言われています。
そのような背景もあり、劇中の「人間は海にゴミを増やす」「ゴミが珊瑚を破壊している」(セリフはうろ覚えですのでニュアンスで捉えてください)などのセリフはハッとするものがありました。
さらにカラフルな生き物が生活する美しい海の世界が細かい描写で描かれているのも、上記で記載したセリフも相まって守らなければいけないものという意識になりやすい気がしました。

2 福祉的要素


次にアースラに声を奪われたアリエルの場面からです。
劇中では声を失ったアリエルとエリックが親しくなる様子が詳しく描かれていました。(私が知っているアニメ版では詳しく描かれていませんでしたが描かれているのもあるの?)
「声がなくても心で通じ合える」ということが詰め込まれた場面のような感じがして、福祉的な要素も含まれている気がしました。
何より人と人の関係、という本質に迫っていることがすごく感動的です。

3 人種差別

心が通じ合うという観点から、もう1点。
劇中で、海の住人であるアリエルを愛するエリックに、エリックの母が「住む世界が違うから」という旨の言葉をかけます。
このセリフから、生まれた場所・環境での差別やこのような違いがあるもの同士は交わることができない(敵である)という意図が感じられました。
まさに今世界で起きているアジアンヘイトやブラックライブズマターなど人種差別の大きな問題をほのめかすセリフだったのではないかと思います。
ですが住む世界が違うアリエルとエリックの間には紛れものない愛が生まれていて、住む世界など関係なかったのでした。
このエリックの母のセリフと、対する二人の愛から、
生まれた場所や人種は関係ないというメッセージが垣間見える気がします。

4 多様性

先ほど上記で人種問題について触れましたが、人種における「多様性」についても
もちろんしっかりと配慮されていました。
7つの海の守護者たち、アリエルの姉たちですが、実写版ではさまざまな国にルーツを持つ人々が起用されていました。
アジア系・アフロヘアを持つ人・ミックスの人・・・など、この世界にはいろんなルーツを持つ人がいて、それぞれがそれぞれにしかないパワーを持っている、そしてそれこそが美しいということを、滑らかに泳ぐ人魚たちを見ながらしみじみと感じる一幕でした。
instagramやTikTokなどで様々なことがシェアできるようになった一方で
他人との比較が簡単になったことでSNS上で見る人がキラキラして見えたり、
それによって「自分はなんで・・・」と自己肯定感が下がってしまうことも起こりやすくなりました。
ですが7つの海の守護者たちが登場する場面は、そのままの自分でいることが強くて美しい、そんな勇気をもらえるようなシーンの数々でした。

5 マイノリティへのエール

最後に、アリエルとエリックが結ばれ、二人は船で新しい世界を探しに出発しますが、そこにトリトンが二人の見送りに来ます。
その際に、トリトンからアリエルへ
「今まで声を上げられず辛かっただろう、」と伝えた後、門出を応援する旨のセリフが続きます。
その後、トリトンが二人の船を波でアシストし、二人は出発しますが、
浜辺や海からは家族や友達などたくさんの仲間が見送っているのでした。

この最後の場面は、性的マイノリティや働く女性たち、その他マイノリティなど、声を上げられない人々や、今孤独に感じている人への「仲間がいる、1人じゃない」というメッセージが強く感じられました。

まとめ

今、LGBT法案をめぐり様々な議論が起こっていますが、
ここまで改めて映画を振り返りながら映画についてまとめていると、
SDGsの取り組み促進や社会的課題の問題視などがやはり詰め込まれていると感じました。
それでいて、エンパワーメントさせてくれる要素もしっかりとあり、
プライド月間であるこのタイミングに公開されたのも大きな意味を成すのではないか感じました。

社会背景を色濃く反映し、間違いなく世界にインパクトを与えていると思います。
幸せな気持ちになると同時に、今後の自身の生活で向き合うべきものが見えてくるそんな素敵な映画、リトル・マーメイドでした


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