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レジンや3Dプリンターを安全に使うために

今や一般的に手芸や趣味でも使われるようになってきたレジンや3Dプリンター。
ジェルネイルやレジンアート、フィギュアの自作など、色々使えて面白いですね。特に3Dプリンターはどんどん精度が上がって価格が下がり、敷居が下がってマジですごいなーと思ってます。

でも使われる液って、安全に使うためには知識が必要なので少し説明させてください!お願い!

ネイルアートなどに使用されているからイメージし辛いかもしれませんが、使用される液は、場合によっては接着剤などに分類される化学品です。
長期的に身体に触れるとレジンアレルギーなどを発症するなど、ある程度の毒性がある物質なのです。
(アレルギー発症とか悲しいじゃん…なんか身近になったから手軽に触って良い物な気がしてくるのは分かる。気持ちとしては分かる。)

例として、UVレジンと同じ仕組みで硬化する接着剤、「アロンアルファ光」の安全データシート(執筆日2024/8/1時点の物)から、毒性表記の部分を抜粋してみます。
ボンド アロンアルフア 光 4g(ブリスターパック) | コニシ株式会社 (bond.co.jp)

ラベル表記の部分。呼吸器への刺激の恐れとあります。
接着剤に含まれる毒性物質についての説明。

これは例ですが、レジン液などは化学品であるという認識を持っていただけたでしょうか?

パジコのHPでも、注意喚起がされています。
PADICO|UVレジン、UV-LEDレジンに関するお知らせ

では、実際に安全に扱う方法を書いていきます!

※今回はレジンはUVレジン、3Dプリンターは光造形型に絞って書きます。
※これらに使われる液は紫外線で硬化する仕組みで、接着剤などにも用いられるものです。ここからは液のことをまとめて紫外線硬化樹脂って呼ぶね!

換気と手袋!

最低限まずはこれだけ!でも超大事〜〜!!
すみません、まずはこれだけお願いします。

化学品を触る時の鉄則!それは接触を極力避けるということです。

  • 換気をして、揮発した成分が肺から入るのを極力避ける!

  • 手袋をして、皮膚から体内に染み込むのを防ぐ!(特に、手に傷がある時はそのまま染み込むのでガッチリガードしてください)

匂いが少ないレジンもありますが、匂いが少ない=気にならないから換気しなくても良い、という話ではありません。まぁ…匂いがしてるって時点で何らかの物質は空気中に出てるってことですよね?

また、手袋はポリエチレンの使い捨ての物とかがあるので〜!そちらをご使用ください!硬化したかな?ってつんつん触ったりしがちですがそこも手袋着用でお願いします!

手に触れてしまったら?

もし手に触れてしまった場合、紙などで拭き取ってから石鹸と水で洗いましょう。
アルコールで拭くのはNG!溶剤で拭き取ろうとすると、溶剤に溶けた成分がより皮膚に浸透しやすくなるそうです。

目に入った場合、口に入った場合、など対処方法は、実は製品のSDS(安全データシート)に書いてあります。企業の製品ページからダウンロードできたりするので、詳しく知りたい方は是非!

さらにさらに知りたい人は法律関連を調べてみよう。厚生労働省のページとか参考になるぞ!(掘ると事業場としての化学品取り扱い方法とか書いてあるから、事業としてやってる人には関係あると思うけど、この記事では趣味レベルの人に向けて書いてるのでスルーします)

もっと換気について

換気する時の注意点!
作業する背中側から風が流れるようにするのがベストです。
なぜかって?例えば逆にすると作業している紫外線硬化樹脂から立ち上る風を顔に受けることになります。これだと意味ないのです〜

お風呂場か換気扇の下がベストなんじゃないかな?と個人的には考えています。
特にお風呂場はホコリも無いし。

マスクじゃダメなの?

換気の代わりにマスクは?という質問が出そうなのでここで回答しておきます!
不織布マスクとか布マスクは顔に密着しきれなかった隙間から入っちゃうので、換気の代わりにはならないです〜と私としては言いたいです。

やるなら防毒マスクかな…口の周りにゴムで密着して、使い捨ての吸着剤をカートリッジとして付ける物なのですが、換気が間に合わないほど紫外線硬化樹脂を大量に扱う人はこちらも検討が必要でしょう。
カートリッジは対象成分によって種類が違うので、SDSなどで成分を確認してから買うのが良いでしょう。

完全硬化させること

作業中は上記のことが大事ですが、作業が終わったら樹脂は完全硬化させましょう。
未硬化状態、それは液が残っているのと同じです。作品を売ったりする方もいらっしゃるかと思いますが、しっかり硬化させて送り出しましょう。

コツとして、以下のようなものがあります。

  • レジン…液が分厚すぎる状態で硬化させない

  • レジン…ライトが満遍なく液に当たるようにする

  • レジン…レジンに合った、硬化する波長のUVライトを使う

  • 3Dプリンター…2次硬化をしっかり行う

  • 3Dプリンター…液が閉じ込められるような構造にしない(表面だけプリントされて中がサポート材になる設定ミスなど)

余った液を捨てる時も、硬化させたら樹脂として捨てられるのでそのまま捨てるのはやめましょう。

安いレジンでペタペタするなーと思ったらそのレジンは使用しない方が良いかと思います。

以上です!
ライターを応援したい方は有料記事の方も書いてみたので買ってみてください〜


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