「もう一度、生まれてきたいと思う?」――『スカイ・クロラ』レビュー
※ネタバレ有り。
『スカイ・クロラ』は2008年に映画化されたアニメ作品で、監督は『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』(95)『イノセンス』(04)などで世界的に高い評価を受ける押井守がメガホンをとった。アニメファンでない日本人にもその名が浸透している有名監督の一人である。原作は若い世代から熱狂的な支持を受ける作家・森博嗣による人気シリーズだ。
物語の舞台は一見外国のようだが、公式では「あり得たかもしれないもうひとつの現代」と記されている。主人公は思春期の姿