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自家製レモンチェロ

前職がモロッコレストランだったことから、私とレモンの結びつきが深くなりました。なぜなら、モロカンフードは、シトロンコンフィ(塩レモン)をよく使うからです。

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よく使うからには、シトロンコンフィを常備しなくてはなりませんが、皮が重要なのに、日本は無農薬レモンが高かったんです(2000年当時)。そこで考えました。どうしようか。

私は高知出身で、実家にはまだ母がおります。身内を褒めるのもなんですが、うちの母は緑の指を持っていて、植物を育てるのがとても上手いです。しめた!と思い当たり、彼女にレモンの栽培をお願いしました。そのときに買った苗がメイヤーレモン(Meyer Lemon)種でした。

蛾の幼虫がつきやすいのを丁寧に世話をしてもらい、もちろん無農薬で。私の期待を上回る緑の指効果で一本のレモンの木から、当時600個以上の収穫を得ていました(画像は東京に送ってもらったもの)

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メイヤーレモンは形が丸に近いものが多く中国原産のレモンとオレンジの自然交配種です。香りが高く、皮が薄く、酸味が丸くて柔らかいのが特徴です。

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収穫したレモンで、シトロンコンフィを空き瓶に作れるだけ作りました。途中で、流石に600個を全部瓶詰めにしたら、1年では使いきれないことに気づいて(来年はまた収穫が来る)、他の使い道を考えました。

そうだ!レモンチェロを作ろう。

昔買ったイタリアのガイド本にマンマのレモンチェロの作り方が載っていたのを思い出して、作り始めました。レシピを見てみると、皮を高い度数のアルコールに浸ける、と書いてありました。

果汁は?

果汁の行方はどこにも書いてありません。慌てて、インターネットで検索しても大体同じようなレシピ。せっかく緑の指が作ったレモンの果汁を無駄にするのがどうしても嫌で、自分なりに作り方を考えて編み出したのが自家製レモンチェロ〜ishizaki version〜です。

そして現在住んでいるサンフランシスコはレモンの大産地なのです。ファーマーズマーケットでメイヤーレモンを見つけた時再び思いました。

今こそ!レモンチェロを作ろう。

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memoカルフォルニア州ってアルコールの規制がすごく強くて、度数の高いアルコールが酒屋でなかなか見つかりません。見つかってもかなり高価です。なので、もったいなくて、今回少量で作ってます←ケチ。

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①まず清潔な1リットル入る瓶を用意して煮沸消毒をします。

②レモンの皮をうすーく剥きます。白い部分は苦味になるので、うすーく黄色の部分だけ使います、あ、もちろん洗って水分はきちんと拭いておきます。

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③煮沸消毒して乾いた瓶にスピリタス375mlを注ぎ、削ぎ取ったレモンの皮を入れて、蓋をして一週間冷暗所で、レモンからのエキスをアルコールに移します。

④皮を削いだレモン果汁を絞り、重さを測ってから清潔な容器入れて、冷蔵庫で一週間保存。今回は198グラムでした。

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⑤一週間経ったら、皮を取り出します。高いアルコール度数により皮からのエキスの抽出がスムーズにできています。

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⑥冷蔵庫から取っておいたレモン果汁を取り出し、使ったアルコール375mlと同じ量の薄め液を作っていきます。果汁がすでに198gあったので 

375−198=177

177gの水を用意して、300gの砂糖を溶かし、火にかけてガムシロップを作ります。水(177)+レモン果汁(198)+浸しアルコール(375)にすると元々96度のアルコールの出来上がりが 約46度(砂糖の水分があるので実際はもっと低い)になります。結構強いので、もっと低くしたい人はここで水を足してください。この場合、後50グラムくらい足しても大丈夫です。

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⑦作ったガムシロップに氷水を当て完全にさましたら、レモンを浸しておいたアルコールに加えていきます。ここからがレモンチェロ作りのハイライトです。

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濁ってきます。

⑧さらにレモン果汁を加えます。

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さらに濁ってきます。

10日ほど冷蔵庫に入れて味を馴染ませたら出来上がり。

市販のもの、またネットに載っているノーマルな自家製レモンチェロとは格段に美味しさが違います。自信あります。アルコール度数が高いので、ちびちびと飲んでいくわけですが、冷凍庫保存して、とろりとなったところを、暑い日にキュッと飲むとサイコーです。

またはアイスクリームにかけると、それだけで、大人のアイスクリームに!

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果汁を入れているので、保存しておくと、レモン果汁に含まれるオリのようなものが浮いてきますが、それもエキスの一部なので振れば大丈夫。

眠れない夜に。 今から、ワイン開けるんじゃー、飲みすぎてしまいそうな時(それも本望)冷凍庫から出して、とろりとしたレモンチェロを少し飲むと、パタンと眠れます。

日中はソーダや冷水で割っても。アルコール度数が強いので、薄めてアペリティフにも。

おまけ。高知はレモンの他にも柑橘類が豊富です。私はすでに、ゆず、文旦、かぼす、すだち、あらゆる柑橘でチェロを作り済みです。できます、同じレシピでできます(かぼすやすだちは果汁が少量しか取れないので100mlのスピリタスぐらいで作ると作りやすいです、砂糖の量は少し増やすといいかも。レモンとミックスでもいいし、皮は無農薬レモンを使い、果汁をグレープフルーツで作るのも美味しい)無農薬の柑橘が手に入ったら、ぜひお試しを。三週間待てば、天国がやってきますよ。

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作ったら、教えてください。レモンチェロ ishizaki version.


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