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映画館で観る映画

映画が好きです。映画館で映画を観る事が好きです。映画だけに集中できる環境が大好きだからです。PCで手軽に見れるNetflixも利用していますが、劇場で観る方が作品に対する理解度が格段に違うように思います。

2年前に渡米するまで(現在サンフランシスコ在住)私は東京で飲食店を営んでいました。休みは週1しかなかったのですが、まず、朝一番で、1本、昼間に用事を済ませ、レイトショーで1本、劇場で観る映画を年に100本をキープできるのは東京の素晴らしさの一つでありました。

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海外に行った時も、まずどこの映画館で何が上映されているかのチェックから始めます。好きな監督や、話題作でも日本では劇場公開されないもの、古い作品でビデオやDVDでしか見れてなかったものを、現地のタイトルから、出演者から、年代から、検索、推理している時が最高に楽しいです。

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パリは世界中の映画が朝から観られるし(9時)ロンドンはベッドみたいなソファに寝転んで映画が見れる劇場があります。ミラノの映画館はシリアスな作品でも途中で電気が点いて、トイレ休憩が。トイレタイムのスクリーンには売店で売ってるアイスやクッキーのCMが流れているのがご愛嬌。劇場にお国柄が見られて面白いんです。

さて、サンフランシスコの映画事情は、

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アメリカ!映画!王国!のイメージがあると思います。それは間違いではないのですが、アメリカ作品の配給が強すぎて、ヨーロッパ映画を見れるところがとても少ないです。これは95年にNYに行った時にも思った覚えがあります。そして、

私はずっとアメリカ映画にほぼ興味がありませんでした

時を遡ること、25年、海外に行っても映画から予定を決めるくらいの映画好きだったことが功を奏して、映画ライターをしていたことがあります。従姉妹の紹介で映画評論家の長谷川正先生に弟子入りしました。長谷川先生は淀川長治先生の弟子だったことから、自動的に淀川先生の孫弟子の位置にちゃっかり。いくつか仕事をご一緒させていただきました。

まあ、若い時です。かぶれているわけですよ、ヌヴェールヴァーグやネオレアリズモ。ゴダール、トリフォー、フィリップドブロカ、右岸派だよね、やっぱり、カイエの翻訳、読んだ?とか。

そんなイキがってた私が、試写会で見せてもらったアメリカ映画の感想を淀川先生に『つまんなかった』と言ってしまいました。

すると、

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君が見た映画の時間はどれくらいあった?2時間くらいか?あの2時間を撮るためにどれほどの人が時間を掛けて作ったかわかるかい?少なくても2時間は大いに上回る。その人たちの時間の集大成を 作った意図を探ろうともせず、一番最初につまんなかった、と言う人は文章を書く権利はないし、映画好きとも言えない。なぜつまらなく思ったのか、君が気づかないだけで何かの引用があったかもしれないし、伏線もあったかもしれない。まずは自分の勉強不足を疑いなさいよ。

と叱られました。さらに、

合わない映画はあるけれど、つまらない映画はないんだよ、それぐらい、映画制作は大変で、愛がなければできない。君が映画の文章で食べていきたいなら、普通の人が気づかない制作意図を汲み取りなさい。何よりも真剣に映画に向き合いなさい。作り手に尊敬がないとこの仕事は出来ないよ。

それから、私は映画をできるだけ映画館で観るようになりました。ビデオを借りる時も(大体一回に3本借りていました)一本は私が心から観たいもの。一本はその時の流行り(ヒット作は世相が大事だから必ずその時に観なさいと言われていた)とできるだけ古いもの(勉強のため)これを、続けていくことにより、自分では観ないなーと思っている映画もかなり楽しめるようになっていきました。

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で、話を今に戻します。今の私映画鑑賞状況の悪いところはヨーロッパ映画があまり観れないところ、なんですが 良いところもあるんです。

映画は一本(曜日と時間帯でも変わる)大体新作15ドル〜18ドルくらい。これにドルビー箱、IMAX箱、さらに3D仕様が加算されると22ドルくらい。に日本と同じくらいです。ですが大手の映画館チェーンのメンバーになれば、1ヶ月24ドルで、週に3本まで、ドルビーだろうがIMAXだろうが、3Dメガネ掛けても値段は変わりません。

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月に13本観れて、24ドル、年間155本観て288ドル。一本約200円くらい。

一本200円!

ということで、食わず嫌いがさらに無くなり、とにかくなんでも観ています。去年はコロナで劇場自体が閉まっていましたが、ようやく先月再開となりました。

それとアメリカ映画館の優れているところは、ほら、アメリカって住んでる方が皆さんふっくらさんが多いでしょ?

だから座席が広い、おまけにリクライニング。前の人に足をぶつけることもなく、左右のひじかけを奪い合うこともなく、リラックス。

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サンフランシスコより南に行ったSan JoseのICON劇場は一人一人にシートが暖かくなる装置が付いています。日本でもブランケットの貸し出しがあったりしますが、ここはプライベートの暖房付き。あまりの気持ちよさに寝る人多数。

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人気がないのか 午前中の上映時間はガラ空き。二人分のチケット400円で貸し切り出来ます。荷物置き放題、ほんとはやってはいけないが、隣と話しながらでも観れます。

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総括すると、ソフト(好みのヨーロッパ映画)は、充実してないけど、ハード(設備)は充実してるという感じです。映画のジャンルは置いといてもサンフランシスコの劇場は設備で楽しめます。

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おまけ。先日、観てきたのはブラックウィドウ。

スカーレットヨハンソンの幼少期役にエバージョボビッチ(ミラジョボビッチの娘)妹役に次はこの人の時代が来るね!のフローレンスピュー、51歳でも戦闘スーツ着ちゃったわ!のレイチェルワイズはヨハンソンの母役。ブラックウィドウは元ロシアの女スパイだったという設定から、ライバル役にオルガキュレリンコ(ウクライナ出身)。ああ、センス良すぎる!配役だけで楽しめました。












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