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ナンバーワンにならなくてもいいのか

NO.1にならなくてもいい、もともと特別なOnly one… 

『世界に一つだけの花』の歌詞ですね。有名です。

もちろんこれは理想の世界かもしれません。

ただ、この考え方自体はかなり危険ではないか、ということは多くの人から言われています。

なぜか、私なりに考えてみました。

みんながみんなオンリーワン、ということは要するにみんな「同じ」ってことですよね。
みんな、オンリーワンという点で同じになってしまうんですよ。

では、何かにおいてナンバーワンの人はどうでしょうかということです。
他の人とは違いますよね。他の人とは明確に区別されてオンリーワンです。ナンバーワンって一人しかいませんから。

みんながみんなオンリーワンだ、というのは間違ってはいないのですが、やはりその中でもナンバーワンの人が別格という結論しか導きません。
みんな同じオンリーワンの中で抜きん出た存在、本当のオンリーワンになります。
当たり前ですよね。ナンバーワンの人って、本当に一人しかいないんですから、紛れもないオンリーワンです。

もちろん、人生においては、別にナンバーワンにはならなくて良いと思うんです。
例えば何かで全国で20位以内に入ったとします。立派ですよね。20位以内に入った人はそれぞれオンリーワンとしての価値があると思います。順位という、誰からも認められる、客観的な指標があるわけです。当然自分に自信もつきます。
最終的には落ちたけど、何かの最終選考まで残った、とかでも同じかと思います。

では、そもそもそのランキングや選考の圏外の一般人はどうかということになります。
オンリーワンだから良いや、なんてことになりますかと言うことです。
何かで全国で20位の人のオンリーワンと全国で圏外の人のオンリーワン、それぞれ一人の人としては同じですが、当然前者の方がオンリーワンの度合いは強くなります。圏外の人なんていくらでもいますからね、その他大勢です。

残念ながら、世の中は競争で溢れてます。
その競争は時には戦い、時には娯楽です。
あなたの趣味をよく見てみてはどうでしょうか。

スポーツ観戦、これも人と人の競争ですよね。
単純な勝ち負け、そもそもプロの選手になるまでの道のり、全てが競争です。
脚光を浴びる、目に入るのは、勝った人たちです。
その人たちが、オンリーワンとして輝きます。
プロの選手になった人のみが輝きます。

アニメ鑑賞、アイドルの追っかけ。
すべて同様ですよね?勝者のみがメディアに出て、脚光を浴びます。
役をもらうのも、アイドルになるのも、ほんの一握りです。
あなたは敗者に目を向けますか?アイドルになりたかったけどなれなかった人たちはどこにも映りません。敗者は「ダメだった人」としてそもそも視界に入らないのではないでしょうか。
もちろん、あと一歩というところまで行った、というレベルの人であれば、それは経験となり次に活きるでしょうし、自信にもなるでしょう。
でも、そもそも最初の一歩で終わったような人たちは、それすらありません。当然、世の中はそういう人が大半です。

繰り返しになりますが、脚光を浴びるのはナンバーワンだけではないので、必ずしもナンバーワンになる必要はないでしょう。ナンバーワンでなくても、そこに近いところまで行けば脚光は浴びれますし、もしそうでなくても、そこまで行ったという経験は財産になり、必ずどこかで活きます。

でも、そもそも圏外の人間からしたら、脚光も浴びることはできないし、経験値を積むこともできません。

つまり、そもそもスタートに立てない人間は、沢山いるオンリーワンというその他大勢になってしまうのです。
非常に面白い逆説です。

世の中から競争がなくなれば良いと思うかもしれませんが、個人的にはそれはそれで生きづらい世の中だと思います。楽しめるものがなくなってしまいます。

まとめるとこんな感じです。
ナンバーワンにならなくても良いことは間違いないです。
でも、競争に溢れているこの世界で、やはりナンバーワンを争えるくらいの順位にいないことには、オンリーワンとしての立ち位置も怪しくなってくるでしょう。結果も経過も何も残らないです。

お聞きしますが、何かで名を残したことはありますか?
ある人も多いでしょう。これで市内で何位になった、そんなのでも良いと思います。

そして、私もそうですが、そんなものがないという人もいるでしょう。
結局のところ何やってもダメな人です。
何かしらの才能があるという考え方もあるかもしれませんが、学生時代くらいで何も見つけられない人が、人生でそれを見つけられるのは奇跡に近い。

とにかくいろいろやってみる。
結果として、全部ダメ。

もう仕方ないですよね。それが自分のスペック。変えることはできません。

おそらくそういう私のような人間は、「あなたは何にもできないという点でオンリーワンだ」という結論になるかもしれませんが、そんなこと言われたらぶん殴りますよね。

特に、何においてもナンバーワンやそれに近い位置にいることができない中途半端な人こそ、『世界に一つだけの花』の考え方は危険です。

絶対にやめましょう。

できれば、「これなら勝てる」のようなものを見つけておくことをお勧めします。
ただ、それがないということであれば、この考えは本当に危険です。
自己肯定感を下げるだけになってしまいます。

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