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青色とは何の色

大人、こんなにも言葉が出てこないなんてあるのだろうか?

先日書いたお返事の筆者くんと初めて会ってきた。
初めましてなのに、気がつけば7時間、ほぼぶっ続けに話をしていた。

お互い好きなバンドの話から、楽器をはじめ音楽の話、仕事や家族の話など。他愛もないようなトピックを、静かに、深いところまで、とにもかくにもずーっと話をした。

これはお会いしてから1ヶ月ほど経過して、ようやっと消化吸収し始めたあの日のことを、書いておかないといけない気がして書いている。

話せば話すだけ掴めそうで掴めない、
けれども何故か波長が合うような気がしてしまう、
わかるようでわからない、不思議な人だった。

私が海が見たいといったのを馬鹿正直に捉えて
遠回り30分、この夏一番暑い日に海沿いを30分歩くコースを選ぶくらいにはまっすぐ素直さのある大人、珍しいなと思った。

話し方や雰囲気はふわふわぁーっとした人だった。メレンゲや綿菓子みたいな。
可愛いものが好きで、女きょうだいがいて、
おそらく甘党。
けれどもお酒も好き。
活発に動く訳では無いが出かけるのが好きだという。

ふわふわぁっとした彼が、仕事の話となると空気が変わる。
3月の春が来る直前、最後に冬の名残のキリッとした寒さが来るあの感じ。
あれだった。
春の暖かさがすぐそこまで来ているのはわかる、
けれども容赦ない空気の冷たさみたいな。

ハッとして我に返ると、急に恥ずかしくなったのか、はにかみながらまたふわふわぁに戻る。

当方炎天下を歩いて汗で顔はもはや事故。
大人として必要最低限の身だしなみを整えなくてはいけないことも承知している。
けれども私の人生に於いて、
いっときの見てくれと彼の話とどちらが重要か。
世に云う『デート』だとも承知だが、
私は君の話を一分一秒長く聴いていたい。
途切れさせてはいけない。
ひと言でも多く言葉を交わしていたい。
そう思ってしまった。

そんな人だった。

話し方はいたって凪。
目の前に広がるあの日の海と同じく、
静かに淡々と、熱いような、でもすーっと温度が下がるような、そんな雰囲気。
色でいうと青。
青がぐーーーっと濃くなるのが見えた。
濃くなって紺になるのではなく、どこまでも青。
青く燃えている。
オレンジの先にある、青。
将来の展望まで聴かせてくれたが、一層、空の高さか海の深さか分からなくなる。
青が濃くなる。
幾重にも重ねて重ねて塗られた青。

完全に引き込まれてしまった。
畏ろしい人と出会ってしまった。
みんなあのふわふわにしか目がいかないのだとしたら節穴か?いや、本当の芯の部分は人に見せないから気が付かないのだろうな。

深いけど浅いようなところもある。
分かるようで分からない。
掴めそうで掴めない。

次会うのが楽しみなような、少し怖いような。
せめて人としてどこまで深く有れるかを追求していく努力が私には必須となりそうだ。
きっと彼にはバレるから。

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