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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 散歩の達人

昨日発売になった月刊誌「散歩の達人」2024年7月号が深川特集でして、ウチも掲載されております。もう新鮮味のある店ではありませんから、メディア露出も落ち着いてしまいましたが、時々は依頼があります。もちろん雑誌の掲載依頼などは喜んでお引き受けしたいところですが、一概にそうとも言えない部分もあって、意外に悩ましい面もあります。繰り返しあちこちで発信していることなのですが、贅沢言いやがって…と反感を買うのを承知の上で一応書いておきます。

散歩の達人2024年7月号(画像は出版社のウェブページから拝借しました)

とにかくテレビのグルメ番組等で紹介された結果、潰れてしまった店は多いということなんです。ウチなどもそういうことになりやすい典型的な店なのです。つまり、一時的にテレビを観た人で賑わったために、ご贔屓にしてくれていた常連さんや日常的な利用者の方が入れなくなってしまうんです。その一時的な人気が去った後は、常連さんはリセット、誰もこなくなっちゃったところから仕切り直し、というようなことに陥るわけです。特にテレビの影響は短期間で終息すると言われ、紙ものは長続きすると言われます。紙ものも、ムックは長め、月刊誌もまあまあ長め、週刊誌は短めというのです。

ただしこれは原則論であって、例外も多々ありまして、その辺がまた難しいところです。要はウチのようにただの飲食店ではなくて、音楽好きや本好きのお客さんを多く呼び込みたい店は、グルメ番組やグルメ雑誌は要注意ということになります。特にお料理の映像や写真が大きく載るときは、「写真と違う〜」といった声を頂戴しないように盛り付けまで細心の注意が必要になります。

ウチの場合、ポーク・ジンジャー・プレートが好評なのですが、ここ数年全く盛り付け等を変えておりません。改善的な変更も許されないんです。何故なら、フジテレビの物書きによる物書きのための番組「タイプライターズ」で取り上げられ、メインキャストの加藤シゲアキ君が「美味しい、美味しい」と食べてくれたため、ファンの方々は、同じ場所で同じものを食べたいわけです。グルメ番組ではないので、影響も長続きしており、非常に有り難いケースの典型例ではあるんですけどね。他にも人気メニューはいろいろありますから、時々メニューから外そうかと思わなくもないのですが、やはり外せません。

とにかく今回の散歩の達人の取り上げ方が飲食よりも「レコード+本」というかたちでして、こちらが意図していること、店のコンセプトに合致したものとなっております。非常に有り難いわけです。…来週あたり、少し影響が出てきますでしょうか?個人的には顔出しがNoとかYesということは申しませんが、あまり顔を出したいものではありません。今回は小さく出ております。オーナーの趣味嗜好が強く反映した店の形態ですから、仕方ないかなといったところです。

さて、本日はトークイベント「Black Music」の開催日です。始まってみないと分からないのですが、今のところご予約は10名様、お初に参戦という方もいらっしゃいます。Facebookのイベント機能で告知するとき、ヴァーチャルか否かを選ぶところがありまして、毎度「はぁ、ヴァーチャルではありませんぜ、お店で時間空間をシェアしましょうよ」とつぶやきながらやっております。

コロナ前とは感覚が大きく変わってしまった部分でしょうが、やはり時間空間をシェアしながら、同じ趣味の人たちが楽しむ機会というのはかなり貴重かと思います。終わったときの皆さんの楽しそうな顔といったら、…やり甲斐直結ですからね。皆さん本当に楽しまれていらっしゃいます。今回もたっぷり楽しんでいただきましょう。一応123曲準備しております。さて、どこまで行けますやら…。


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