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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 004:7インチ盤でサザン・ロック

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第4回(2021年10月22日(金)20時~
(再放送:10月24(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。しかも可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

この時期、レイナード・スキナードの事故と10月末のデュアン・オールマンの命日もあって、どうしてもサザン・ロックを聴く機会が毎年増えるんです。そんなわけで、今回は「7インチ盤でサザン・ロック」という特集になりました。

1曲目
「チューズデイズ・ゴーン Tuesday’s Gone」レイナード・スキナード Lynyrd Skynyrd (1976)

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1977年10月20日に起きた飛行機事故でロニー・ヴァン・ザントとスティーヴ・ゲインズを失ったレイナード・スキナードを偲んでライヴ・アルバム「ワン・モア・フロム・ザ・ロード」からかけました。普通は「フリー・バード」なんでしょうけどね。アルバム・ヴァージョンは11分30秒もありまして、少々長すぎですね。一応7インチ・シングルもあるのですが、こちらは4分58秒というエディット・ヴァージョン。上手く編集してありますが、鳴りは少々おとなしめです。さあどちらにしようか迷ったとき、大抵両方やめとくという道を選びます。「チューズデイズ・ゴーン」も7分39秒もありまして、あまりラジオ向けではありませんが、まあ正解だと思える一曲でした。

2曲目
「想い焦がれて Caught Up In You」サーティエイト・スペシャル 38 Special (1982)
3曲目
「愛は消えても If I’d Been The One」サーティエイト・スペシャル 38 Special (1983)

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ここからは7インチ・シングル中心です。しかも各アーティスト2曲ずつかけてみようという、他の局ではあまりやらないかなということに拘ってみました。…どうでもいいことでしたね。

まずは38スペシャル。レイナード・スキナードのヴォーカル、ロニー・ヴァン・ザントの弟さんのドニー・ヴァン・ザントがヴォーカルを務めておりまして、まあファミリー・バンドです。難しいことはやらない人たちですが、その反面、クルマの中で聴くには最高のBGMです。ジェフ・ベックなんぞ聴きながら運転すると危ないというようなことを申しておりますが、ハイ、「ゼア・アンド・バック」を聴くとアクセルを踏み込んでしまうヤツです。

4曲目
「キープ・オン・スマイリン Keep On Smilin’」ウェット・ウィリー Wet Willie (1974)
5曲目
「街角のセレナーデ Street Corner Serenade」ウェット・ウィリー Wet Willie (1977)

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大好きなウェット・ウィリーの登場です。でもこのバンド、「キープ・オン・スマイリン」しかラジオではかかりません。確かに大ヒットでしたし、文句なし名曲です。でもそれ以外にもいい曲があるんです。そんなわけで、「街角のセレナーデ」をかけたくてご登場願いました。ヴォーカルのジミー・ホールはジェフ・ベックの「フラッシュ」というアルバムでフィーチャーされ、ライヴでも時々ゲストで出てきたりしますが、あまりジェフ・ベックの音楽と相性が良いとは思えないところが悲しいです。この人、もの凄くうるさい声なんですよね。シャウトしないといい声なんですけどね…。

6曲目
「コーヒーもう一杯 One More Cup Of Coffee」ボブ・ディラン Bob Dylan (1975)
7曲目
「グッバイ・ジミー・リード Goodbye Jimmy Reed」ボブ・ディラン Bob Dylan (2020)

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ハイ、ひねくれ者はサザン・ロックの特集でボブ・ディランを登場させます。ご本人が聞いたら嫌がるでしょうね。人種差別が根深い南部の連中と一緒にするなとか言われますかね。でも、ボブ・ディランの音楽をサザン・ロックの中に置くと、妙に座りがいいんです。そのことを言いたくて、わざわざ2曲かけるわけですが…。加えて「最近のボブ・ディランが好き」ということを申しますと、大抵の方は表情が曇ります。「コイツヘンナヤツダ」と顔に書いてある人もいらっしゃいます。でもチャーリー・セクストンがバックについてからは間違いなく南部度が上がってますし、私はチャーリーのギターを聴くためにボブ・ディランのアルバムを買い続けています。「グッバイ・ジミー・リード」が収録された2020年の「ラフ・アンド・ロウディ・ウェイズ」も大名盤だと思っております。この曲はシングルではありませんので、アルバムからご紹介しました。そのうち、「ディランとブルース」みたいな特集もやってみたいですね。

8曲目
「スプーキー Spooky」アトランタ・リズム・セクション Atlanta Rhythm Section (1979)
9曲目
「ソー・イン・トゥ・ユー So In To You」アトランタ・リズム・セクション Atlanta Rhythm Section (1977)

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最後はやはり大好きなアトランタ・リズム・セクションです。これは選曲で悩みました。「イマジナリー・ラヴァー」という大ヒットもありながら、日本のラジオでは全然かからないわけで、それもかけておきたかったという理由ですけどね。「日本では本当に人気ないなあ」と時々思わされます。7インチ盤も滅多に見かけませんし、あっても、ヘタしたら100円ボックスにいたり…。私はそんなお値段はつけませんけどね。ここでは、やはり好きな2曲をご紹介しました。スタジオ・ミュージシャンの集まりなのにライヴ・バンドというテクニカルな集団ですが、まあ南部の人たちは短命な方が多くて…。一度はライヴを観ておきたかったなあと残念に思うバンドの一つです。

途中、何州にはどういうバンドがあって…というサザン・ロックのマッピングもご紹介しましたが、案外州によって個性があったりしますし、テキサスのようにいろいろな人たちがいる州もあったりして面白いものです。そもそも音楽のジャンルでもスタイルでもない「サザン・ロック」という括りが大雑把なんですけどね。

ボブ・ディランに関しては異論もあるかなということで、レスポンスが楽しみなのですが、そうそうお便りをいただけるものでもありません。ぜひご意見をお聞かせください。
voice@fm840.jp

次回は7インチ盤に拘らないとどうなるかという、ただの「サザン・ロック」特集を予定しております。お楽しみに。

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