本日のレコード整理 2020.05.19.ーアイランドマン、ゴーゴー・ペンギン
イスタンブールのエレクトロニカ・ユニット、アイランドマンをご存知でしょうか?3人組のインストゥルメンタルな連中ですが、エスニックなヴォーカリスト(ヴォイス・パフォーマー?)とコラボしたりしますので、聴き様によってはワールド・ミュージックにも分類できます。チルアウト系のコンピに入っていたりします。モントルー・ジャズ・フェスティヴァルで最優秀パフォーマンス・アウォードを獲得したり、何かと注目されているようなんです。
マンチェスターのピアノ・トリオ、ゴーゴー・ペンギンはいかがでしょうか?こちらもジャズとはいわない、エッジ上のビヨンド・ジャズみたいな環境音楽にも近い音楽をやっている人たちです。ちょっとエスビョルン・スヴェンソン・トリオに似ているかなと思いつつ、ジャズの中心点からの距離はゴーゴー・ペンギンの方がはるかに遠いように感じています。即興性はほとんどないですしね。
どちらも、少しずつ曲が展開していくのですが、延々と同じフレーズを繰り返しているように感じるほど展開が緩く、終着点も見えません。アンビエント系とでも呼べばいいんでしょうかね?よく分かりませんが、とにかくどちらも邪魔にならない音楽です。飽きることもなく、何時間でも聴いていられます。そのせいか、アナログ・レコードで聴きたいという欲求は湧きません。どちらも音質は極めてよさそうですから、オーディオ評価に向いていそうですけどね。自分の場合は、少しボリュームを絞って(普段が大きすぎるとも言えますが…)延々と流しっ放しにして聴いております。
洋楽中心の7インチ盤専門店を運営しているような人間ですから、自分の好みは3分ポップが理想です。2分50秒ほどにグッと凝縮されたメロディアスで、ついつい口ずさみたくなるようなポップ・ミュージックが大好きなんです。欲を言えば、少しハードロック寄りの音であればなおよし、といったところです。その一方で、ブルースやジャズやクラシックも聴きますから、演歌以外なら何でもOKという敷居の低さです。古楽のチェンバロやリュートの音色も大好きなので、アンビエント系は余裕でOKなんです。
とにかく自分はアウトプットが多いほうなので、「何のために書くのか?」ということをよく訊かれます。もちろんお店の宣伝にもなるでしょうし、誤解されたくないという側面もあります。インターネットの可能性は21世紀になる前から十分に理解しており、20ほどのオリジナル・ドメインも管理していますが、決して上手く活用できているとは思えません。SNSもやりますが、音楽関連以外はほとんど日常の戯言をつぶやく程度です。何度か言葉を交わせば、どういう人間かということは分かり易い方だとも思います。
政治的な発言は滅多にしません。SNSやウェブ上のアウトプットはそういう意見を表明する場だと思っていないからです。対面ではちょくちょく話題にもします。昨今SNS上の政治的な発言に対しての攻撃的な書き込みが多く、少々ウンザリしています。さすがに検察庁法改正案はおかしいだろうと思います。その一方でそういう声を上げたタレントさんを攻撃するような書き込みをすることは、もっとおかしいだろうと思うわけです。所詮ヴァーチャルな世界はその辺が限界という諦めもあります。
政治的な意見を交わしたければ対面でという感覚は、Windows98でインターネットを始めた頃から持っており、自分の中ではルールというよりマナーに近い感覚です。顔が見えない相手に発言するとき、過激になってしまうという感覚はいまだに理解できません。不思議の国の不快な出来事です。
昨今、コロナウィルスのせいで自粛生活が続いており、自分でも予測していなかった程ストレスが溜まっていることに驚いてもいます。飲食店経営者であれば、先行きが見えない不安は当然ありますとも。でも、カフェをやっていてよかったなと思うことは多々あるんです。
特別に親しいわけでもないお客様と二言三言交わしただけで、妙に感謝されたりすることがたまにあります。それも特別難しい話でもない、もちろん政治的な話題でもない内容でもそういうことがあるんです。おそらく、分かる人には凄くよく分かることですね。コーヒーなどを飲みながら、少しの時間を共有しつつ言葉を交わすことで救われる、そんな瞬間が日常生活の中にはいくらでもあります。音楽を楽しむ空間としてのカフェ、その空気感、対面ゆえの間と距離感、相手の言葉を遮ることなく耳を傾けること、目を見て話すこと、ポスト・コロナ、ウィズ・コロナの世界で、変わらず求められるものだと思います。そのことの有り難さは、自粛生活の中で思い知らされたことでもありますね。
実は、翌日通販サイトにアップロードするネタが中心の「本日のレコード整理」、明日はナイト・レンジャーなんです。ただでさえ思考停止状態に近い不安まみれの中で、ヘッドバンガーズ的なハードロックを聴いても不安を煽られるだけのようで、たまらずアイランドマンとゴーゴー・ペンギンに救いを求めたというのが真相です。やれやれ、ナイト・レンジャーを聴いてスッキリしないなんて、どれだけ酷いストレスなんでしょうね、マッタク。