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ツンドク?読んどく ㉙
「愛のあとにくるもの」「マチネの終わりに」 2022/10/04
9月は辻仁成の小説・エッセイなどに浸る。
彼の文章には品性があるし、ドロドロじゃないから疲れない。
辻仁成【著】『愛のあとにくるもの』
孔枝泳【著】きむふな【訳】『愛のあとにくるもの 』
二人の作家のコラボレーション作品。
『冷静と情熱のあいだ』より好きです。
ソウルの町の描写が懐かしい。
新羅ホテルやグランドハヤットなど。
辻仁成版を読んでから孔枝泳版を読むと、主人公の女性のイメージがずいぶん違うことに驚く。
留学先の日本で ”恋人” として描かれたイメージ(辻仁成著)と、ソウルで暮らす ”自分” として描かれたイメージ(孔枝泳著)の違い、きっと邦訳を読んだからそのニュアンスも少し違うのかもしれない。
ハンギョレ新聞連載小説ということで、日韓問題も当然小説のテーマとなる。
読み終わったとき、そんなことはちっとも気にならず、爽やかな気で包まれ、そして辞書を片手に俄然韓国語版を読みたくなった。
『父』も心地よく読み終えた。
辻仁成のブログや料理本に出会って以来、私、辻さんのファンになりました。
平野啓一郎『マチネの終わりに』
所謂恋愛小説つながりで読んでみようかなと借りた本。
それにしても平野啓一郎さん、やっぱり漢和辞典片手に読み進めなきゃいかんねの難解熟語のオンパレード、音楽やイラク戦争後の中東情勢など、特に音楽についての知識は深い、深すぎるから嘘っぽさがない小説の内容になっている。
だけど、恋愛小説じゃん、もっと軽やかで読みやすい文体でよかろうにと、頭の構造も軽いおばちゃまは思った。
福山雅治・石田ゆり子主演の映画は観てないけれど、イラク戦争の設定などを変えたようで、かなり軽い感じの40代の恋愛映画になっているのかな?それでいいのじゃなかろうか。
「人は、変えられるのは未来だけだと思い込んでる。だけど、実際は、未来は常に過去を変えてるんです。変えられるとも言えるし、変わってしまうとも言える。過去は、それくらい繊細で、感じやすいものじゃないですか?」
生きるということ。人生というもの。
その回答でもある気がする。
秋の夜長は目を休めて好きな音楽聴いて、ダラダラと過ごそう。
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