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小諸 はりこし邸(中棚荘)


軽井沢大賀ホール

昨年からコンサートと旅行のセットを楽しむようになった。
何といっても全国旅行割真っ最中だったから、多大なる恩恵にあずかった。

都内ではチケットが取れないけれど、地方のコンサート会場では案外容易にチケットが取れることから、そういう旅を何度か体験して、すっかりその醍醐味だいごみを知ってしまった。

だから2022年10月も(紅葉が美しいころだろうな)と軽井沢旅行を計画したわけではなく…
軽井沢大賀ホールでの反田恭平ピアノ・リサイタルのチケットが取れたから、 せっかくだから軽井沢旅行もね となったわけです。

だったら小諸のはりこし邸でランチがいいね。

私の忘れられない店 note




朝8時前に出発、首都高を抜けるのに2時間かかり、埼玉も渋滞、途中休憩して碓氷うすい軽井沢ICを12時過ぎ通過、埼玉・群馬はずっと小雨。 

碓氷峠うすいとうげは濃霧
天気予報じゃ小諸こもろは晴れってほんとに?

八風山はっぷうさんトンネルを抜けると、あら、晴天!

浅間山に迎えられ、小諸を目指す。

12時40分 小諸こもろ はりこし邸(中棚荘なかだなそう)着

小諸は晴れ。

敷地外にある駐車場に止めたので
敷地の中の坂を歩いて下る
それが中々よかったのです

緑豊かな敷地。

江戸時代末期に造られ、藍染業を営んでいた古民家を移築したはりこし亭が見えてきた。

伊東深水いとうしんすいがこよなく愛した江戸時代の旧家
文化庁の登録有形文化財
秋の風情の投げ入れ花
モダンな意匠の暖簾のれん

早速座敷に案内してくださった。

趣のある落ち着いた座敷

予約時間を大幅に過ぎたのに(途中何度も経過連絡済み)心のこもったホスピタリティにすっかり和む。

とてもよい席を用意してくださっていました
畳式の部屋にテーブルと椅子
民藝の趣でまとめられています

生け花、絵画、華やぎを感じる床の間

藁馬わらうま


花かご御膳

予約していたメニュー

十穀米おにぎりと古代胡瓜 黄金軍鶏しゃも 炊き合わせ 
地元有機野菜サラダ~ビーツドレッシング 
大王岩魚いわなのお造り
そうめんかぼちゃなど

長野の「ふるさとの旬」「おふくろの味」が供される膳だ。

「ああ、日本酒が飲めたらいいなぁ」と夫。

くるみそば

今回どうしても食べたかったのがくるみそばだ。
予約時に、そばはくるみそばにしてほしいとリクエスト、長野に来たからにはくるみそば、食べたいですからね。

そば粉とつなぎの小麦も全て自家農園のものを使用した手打ちそば
特製のくるみペースト
がたっぷりそばにかかっています

「まずはそばつゆを付けずにそのまま、お召し上がりください」

そばとくるみペーストをよく混ぜてと
どれどれ、ちょいと甘いくるみペーストです

次にそばつゆにつけてそばを手繰たぐる。
おぉ、くるみペーストを纏ったそばとつゆが混ざって、濃厚!

山くるみが採れる地域
だからこそのくるみそば、山間部の恵みがひとつになった滋味、クセになる味わい。

デザート

佐久・神津牧場ジャージー乳を使ったプリン

口でとろけるプリン
メロン添え

ずっと気になっていた
何て読むのかしら?

下の字は「呑」にも見える、「香」?
上の字が読めない 
「荷」??


「花香」中国のめでたい言葉なのだそうだ。

婚礼もおこなわれるそうで、先日も婚礼があったとのこと。

懐かしい模様の婚礼衣装
昭和の雰囲気の人形です

予約を11時半にしていたけれど、渋滞で大幅に遅れ(途中で連絡済み)、午後1時近くからのスタート、早い時間のお客さんが食事を終え、静かな中でランチができて、それがよかったのかもしれない。

床の間の生け花が婚礼の余韻


もっとゆっくりしたいけれど、軽井沢駅での次女と孫娘との待ち合わせ時間もあるので、ごちそうさまと玄関を出た。

島崎藤村ゆかりの旅館「中棚荘」の敷地を散策

三女おススメの宿。

「素晴らしい宿だから、一泊してからハーベストに泊ればいいのに」
と三女は言うけれど
まぁ、それはまたの機会に

蔵の隣にカフェスペース
落ち葉がカサカ秋の風情

中棚荘なかだなそう玄関

屋根に何かがぶつかる音! 

あっ、栗!

今、木から落ちたばかりの栗!です

棚状の土地が重なる地形を生かした建物は温泉棟!

浴衣に下駄が似合いそうなおもむきのある温泉です

日帰り入浴もあり
10月から5月には湯船に地元のりんごが浮かぶ初恋りんご風呂が人気だそうです


「ここに宿をとり、美酒にほろ酔い、千曲川までそぞろ歩き、宿に帰る…最高だろうね」


・・・暮行けば浅間も見えず 
歌哀し佐久の草笛
千曲川いざよふ波の 
岸近き宿にのぼりつ
濁り酒濁れる飲みて 
草枕しばし慰む・・・

「千曲川旅情の歌」-落梅集より- 島崎藤村


千曲川
の橋に佇み、しばし流れを眺め、軽井沢駅へと車を走らせた。


錦秋の軽井沢と小諸。
信州の魅力にもっともっと浸りたい、そう切に思った旅。

(2022年10月14日訪問)


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