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ツンドク?読んどく⑱

料理と利他 おかずのクッキング 2021/07/13

アガパンサス

料理研究家・土井善晴さんと政治学者・中島岳志さんのオンライン対談(2020年6月&8月)記録集。

かなり予約待ちして借りた話題本。

土井善晴さんの料理哲学、というとえらく小難しく聞こえるけれど、力の抜けた大阪弁で飄々と気楽に「一汁一菜でよいという提案」の主張が、政治学者の中島岳志さんとの対談の中で、暮らし、経済、政治、自然環境、地球論にまで広がって語られる。
質疑応答も記録され、哲学者のむずかし~い哲学的質問もあれば、日々料理をする人たちからの料理の悩み相談もありで、それらに丁寧に答えるお二人。

”カンカラカンカンカンと煮詰める”  料理実演~小芋の含め煮と小芋の煮転がし~をしながらの対談に、うんうんと頷く。
ハレの料理とケの料理、日常の煮転がしと非日常の含め煮について、調理法、栄養学、料理の意味、盛り付けにまで深く話が及ぶ。

”料理で難しいことを言うつもりはないんですけど、料理はあまりにも身近なことで、それで料理はそもそも女性の問題なんですね。” 
”お料理には庶民の大事な未来があるんです。”
とおっしゃる。
料理する人=女性という固定観念を変え、家庭料理は民藝だ!という信念で、料理研究家として日々活動されている土井善晴さん。

これまで一度も土井善晴さんの料理番組を観たことがなかったので、早速録画して「おかずのクッキング」を観た。
その前にテキストブックも借りて、何冊か読む。
まずレシピ提供の方々がすごい!
コウケンテツ 笠原将弘 浜内千波 ウー・ウェン 大原千鶴 野崎弘光さんなどなど。
なんどもパラパラ読んでいるうちに料理の基本と応用が身に着く編集。
”見るだけで料理上手” というキャッチコピーがいい。清い。

そして番組。
土井勝さんの代から46年の歴史を持つ長寿番組で、土井善晴さんあってこその番組、トークがまたいい。

「鶏とうもろこし」
”一つの料理を別の料理と組み合わせる面白さ” というテーマも、きちんとある。
料理完成の後で土井善晴さんが「鶏ととうもろこし」とおっしゃる。アシスタントのアナウンサーが「鶏とうもろこしです」と訂正する。
土井先生「鶏ととうもろこしのほうが、なんか物語のような気ぃしませんか。鶏ととうもろこし」と答えられる。
こういうアドリブ、いいですね。

連ドラ予約しましたよ、そりゃねもちろん。

*鶏とうもろこしレシピ

アガパンサスが満開です。

街路にアガパンサス

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