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ツンドク?読んどく ⑨

花の匂いに酔う  2021/04/02

卯月。
どうもコレハもう四月中旬の植物の植生だ。
山椒の葉が木の芽なんてもんじゃないほど成長している。
なんじゃこれ?と、今年も植生を見て、思った卯月。
先月の ガールs への桃の節句のお届けは、初めてちらし寿司じゃなくて手巻き寿司。
来年はやっぱりちらし寿司だわね。

3月読書備忘録
田中一村展に行って以来、田中一村についての本を、浦安図書館HPで検索して目ぼしいものはすべて借りて読むという、一種の中毒症状。
彼の作品に魂が震えたのは事実だけれど、その生涯にも同じくらい魂を揺さぶられた。

2019年5月出版の最新本を購入した。
別冊太陽 田中一村 ”南の琳派”への軌跡』

鮮烈な色彩と造形で、独自の絵画様式を生み出した田中一村。困苦のなか、絵を描き続けることだけを願い、画壇から離れて独り高みを目指した、その生涯と画業に迫る決定版!

一村評伝の類を5冊読んだものだから彼の生涯については結構詳しい。
だから東京、千葉、奄美初期の一村に関するエピソードについてはほとんど同じなのだけど、奄美後期の最晩年のエピソードについては各本によって、違っていて、たかだか40数年前の事柄で、同じ方々へのインタビューであるのに、なぜ違っているのかが、不思議に思えた。
世にあまたある伝記の類って、作家の私的思い入れ、あるいは著書の狙いによって事実と異なる構成になっていることを、再認識。
一村評価を、生涯の鮮烈さによって画業をとらえるのではなく、本来の画業に立ち返って研究すべき、という流れは正しいかもしれない。
だけど一村を世に出した市井の人々の「一村という画聖を世に出すプロジェクトX」ともいえる事柄は正確に後世に伝えられるべきこと。
ああ、どうにかしたい!と地団太踏んだのだった。

私の一村探求の旅は、奄美大島の田中一村記念美術館を訪問するだけとなった。

2月にドハマりしていたのが「アフロ記者」こと稲垣えみ子さんの著作。
アフロ姿を二度くらいテレ朝報道番組で見たことはあった。
もうレシピ本はいらない』の著者だったんだと納得。

「自分をさらけ出す」「自分のダメさこそが光」「書く」ことに様々な欲から解放されたはずなのに、まだ解放されていないものに、拘り苦しんでいる。誰もが自分の見たいものだけを見て、信じたいことだけを信じる時代が始まった。

本文より引用

ブレない生き方の選択。
だけど他者への強引な押し付けというのは感じられない。
求道というと、なにやら聖人のようなイメージだけれど、いつも自分の在る状況を冷静に振り返り、進む道を決めていらっしゃる、そんな清々しさを感じる。
ふと、稲垣えみ子さんに田中一村についてのエッセイを書いてもらいたい、それを読んでみたいと思った。

卯月。
昨日藤棚の横を自転車で通り抜けようとしたら、なんと!藤の花が少し咲いているじゃないの!
ん?うそっ!ほんまかいな?
藤の花ってゴールデンウィークが始まるころの花景色でしょ。
確実に変わりゆく自然のサイクル。
ニンゲンだって変わるはずだ。

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