見出し画像

《不定期活動報告⑧》第4回・銀竹定例句会を行いました(5/19)

5月19日に第4回銀竹句会が行われました。

報告が大幅に遅刻してしまい非常に申し訳ないです。多方面からせっつかれていたので反省しております。

さて、報告に移らせていただきます。

【参加者】
日比谷虚俊、植木まい、大橋弘典、林和弥(カワウソさん)、綾驟雨晴、工藤鈴音、吉井ひかげ、武元気、遠藤伊代、懐音(投句のみ)

それでは今回の句会で出た作品を見てみます。

愚痴聞いてもらふ立夏の祠かな   武元気

こちらは五点を獲得した句でした。
今回の句会の題詠は「立夏」。立夏は二十四節気の一つ。暦の上での夏の始まりを表します。今年の立夏は5/6でした。立夏の傍題として「夏立つ」「夏に入る」「今朝の夏」「夏来る」などがあります。
武さんの句はあるストーリーの一コマを切り取ったような句でした。祠という非日常を連想させるものに愚痴、俗な相談をするという可笑しみ。
またこの句をどこで切るか、という議論も起こりました。

髪切つて緑雨の中を帰りけり   日比谷虚俊
夏蝶や人住む街の上り坂       林和弥

「緑雨」とは新緑の時期に振る雨のこと。日比谷さんのは爽やかな空気を感じる俳句です。
そしてカワウソさんの句。静かな住宅街に夏の日差しが降り注いでいる様子を想像させるのは「夏蝶」という季語の効果でしょうか。

おさがりは葵祭の他人ひとのにほひ   綾驟雨晴

「葵祭」とは京都で行われる伝統的な催事のことです。
『セカンドストアとかブックオフとか他人の家みたいな独特のにおいがあるけれど、「葵祭の他人の」においと例えるのが面白いなと思った』植木さんのコメントですが、確かににおいの表現に独創性があります。

はつなつの餡よ最中よ二番町    大橋弘典

「はつなつの餡」はなんだか特別な、特別に感じられる甘味という印象を受けます。二番町にも歴史ある街というニュアンスが感じられ、古都の雰囲気が漂います。

夏の朝たたみのへりに白い胡麻   工藤鈴音
微笑みで本意は隠して夏館    吉井ひかげ

工藤さんの俳句は日常の小さな気付きが詠まれています。共感できるというコメントが多く寄せられました。白胡麻というアイテムが句の中で効果的に用いられていると思います。
季語「夏館」は吉井さんが以前から使ってみたかった季語だそうです。確かに仄暗い涼しさがあり、魅力的な季語です。

アベリアの木漏れ日に手を濡らす人 植木まい
現住所 月 静かの海の暗いとこ    懐音

アベリアは小さな花を咲かせる植物。柔らかな光の木漏れ日との相性が良いです。
懐音さんの俳句は、この無音の感じが面白いと思います。ジブリ映画「かぐや姫の物語」の月の都を連想しました。

5月の句会は全体的に初夏の清々しい空気を感じられる句が多く出ました。報告を先延ばしにしてしまい、すでに暦では秋になってしまいましたが……。
句会歌会に新メンバーが次々加わり、嬉しく思います。以後参加者が増えてくれるとより嬉しいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。これからも銀竹をよろしくお願いします。
(報告者:遠藤伊代)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?