見出し画像

≪不定期活動報告④≫1月20日(金)に第二回銀竹句会を実施しました。

【参加者】綾驟雨晴、植木まい、遠藤伊代、大橋弘典、懐音、林和弥
【投句参加】工藤鈴音、北村太希、日比谷虚俊
今回の定例会後も今後の方針の話し合いや雑談で盛り上がりました。
 
今回の句会は、当季雑詠3句(必須)、新年の季語1~2句(任意)という形式で行いました。以下、点の集まった句を中心に参加者の句を一人一句紹介します。なお、句の掲載順は得点順となります。
 
 
狩人の朝にも白い洗面器 工藤鈴音
 
コンビニのこんな夜中にサンタかよ 日比谷虚俊  (ここまで四点句)
 
粉雪をはらふ手にさへ降りしきる 懐音
 
生まれいずるさみしさ寒の椿咲く 植木まい
 
避妊具の自販機古ししだれ雪 遠藤伊代
 
排水溝のぬめりの強き聖夜祭 林和弥  
 
頭取や伊勢海老が膨張してやまない 大橋弘典
 
氷海やいのち立ち入ること勿れ 綾驟雨晴
 
一月や近眼になる子どもたち 北村太希
 
(なお、最高得点は大橋さんの五点句だが本人が別の機会に用いたいとのことなので今回は未発表とさせていただきます。)
工藤さんの句からみていきましょう。まずこの句では上五の「狩人」をマタギのような洋画に出てきそうながたいのいい男と捉えて肯定的に評価する意見と、「狩人」をただがたいのいい男の比喩として捉えあまり評価しない意見で割れました。
中七下五の「白い洗面器」では血を洗い流す景と読む意見や現代の禊をしている場面だとする意見がでるなど解釈が割れました。読者の皆さんからも意見を聞きたいところです。
 
次に日比谷さんの句に移ります。この句では心情描写に徹しているのにしっかりと光景が浮かんでくるといった意見。また、クリスマスの日にコンビニでバイトをしている自らのことを詠んでいるのかバイトをしている他人の心情を読んでいるのかで議論が活発になりました。なかには、つべこべ言わずにクリスマスを楽しめよという辛辣な意見もございました。句の主体が誰なのかを考えながら読むと面白いと思います。
 
四点句以外にも言及します。夏雲システムに書かれていた講評が短い場合は全文を引用しました。講評文が長い場合には私が要約して載せました。
まずは懐音さんの句から。雪降る中、詠み手は家に帰宅して服に付いた粉雪を払っています。しかし、どんなに雪を払い落としても払いきれず遂には手にも雪が降ってきている状況と私は読みました。
次に植木さんの句。「直接的な措辞で、若干オリジナリティに問題を抱えてはいるが寒の椿という季語の選択が絶妙。」(大橋弘典)
遠藤さんの句。程よい田舎感があり、自販機は軒にあっていい感じに錆びているんでしょうな。雪も降ってくる。という武さんの講評です。
林の句。綾驟雨さんから下五に「聖夜祭」とあることでエロティシズムと結びつけられるとの講評です。
大橋さんの句。「あまりにも「伊勢海老が膨張してやまない」のフレーズが面白い。変に二物にするんでなくて一物仕立てにした方が面白いんじゃないかとさえ思う。」(懐音)
綾驟雨さんの句。率直に読むことで「いのち」の重みが強調され、また氷海の透き通った感じから祈りのような印象を受けたという工藤さんからの講評です。
最後に北村さんの句です。「取り合わせに意外性があって面白い。「一月」だから「近眼になる」理由など存在しないでくれと思うほど」(日比谷虚俊)

 本来は銀竹第二号が出る前に出すべきものだったのですがここまで発表が遅れてしまい申し訳ありませんでした。
話は変わりますが高校三年生の皆さん、ご卒業おめでとうございます。群馬県の高校の卒業生で高校卒業後も文芸活動を続けたい、だけどそのネットワークがないという方にぜひ入ってほしいと思っています。植木さんや大橋さん、工藤さんや日比谷さんなど幅広い人脈のネットワークを持って居る方がいらっしゃいますので今後の文芸活動で悩んでいる方がもしいらっしゃいましたら銀竹を選択肢の一つとしていただけたら幸いです。
 
報告者:林和弥

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?