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《不定期活動報告③》第二回・銀竹定例歌会が行われました

2022年12月16日、定例会として【歌会】が開催されました。
銀竹内で開催する歌会は二回目となります。

〇メンバー:10名
当日参加者:日比谷虚俊/林和弥/懐音/武元気/植木まい/工藤鈴音/遠藤伊代
詠草提出:大橋弘典/北村太希/綾驟雨晴

〇提出作品:3首
題詠:1首(お題……恋・愛)
自由詠:2首

クリスマスも近づく12月、お題は【恋・愛】。恋愛はもちろん、さまざまな形の愛の歌も集まりました。加えて自由詠が2首。
今回は、題詠・自由詠ともに票の集中する結果となりました。以下にみなさんの作品を一首ずつ掲載します。

◎本当は両思いかも月だって少しかけてるところがあるし 武元気(題詠一席)

◎ほら、人類の夕暮れである喋っちゃあだめだ動くこと祈ることさえだめだ 懐音(自由詠一席)

お互いに二番目に好きっていうだけの関係のまま灰になろうね 日比谷虚俊

おまえただひとりのために両(バイ)性愛者(セクシャル)と呼ばれ今世を生きるか我は 植木まい

大根を刻む力は残ってる一人暮らしの三十七度 遠藤伊代

雪の日に買い来る雪見だいふくの表面 地球にいつかの氷河期 大橋弘典

リフレイン最後のデートリフレイン明日は始発で家を出よう 林和弥

月のもと指の長さを褒められて琵琶湖の凍る夢をみている 工藤鈴音

窓開けて新鮮な電車の音がけたたましいけど寂しくはない 綾驟雨晴

いつもとは何かが違う予感して変化を嫌う自分が嫌い 北村大希

題詠【恋・愛】で最も票の集まったのは、武くんの「本当は」の一首。参加者十人のうち、半数の五人が特選を入れ一席となりました。評価のポイントとして挙がったのはリズムの良さと解釈の多様さ。二句目「両思いかも」や語尾の「あるし」にみえる口語の心地良さに加え、「両片思いを詠んでいる」「片方が熱烈に恋している」「理想的とはいかない恋愛を肯定的に捉えた歌」など、鑑賞者によってさまざまな物語の連想される作品でした。

一方、自由詠での一席は、懐音くんの「人類の夕暮れ」の一首。こちらも特選が三人、予選一人と点を集めました。なんといっても、「人類の夕暮れ」というスケールの大きさに驚かされる人が多かったようです。ジョージ・オーウェル『1984年』の世界や核戦争、9.11といった連想があがりました。ほかにも、「喋る」「動く」「祈る」の言葉の取り合わせ・順番についての議論も交わされました。

人を詠んだ歌の少なかった前回の歌会を鑑み、今回は恋歌をはじめとして他者を詠んでもらおうと【恋・愛】のお題を設定しました。結果、力強く新鮮な歌が多く集まったのではないかと感じました。そして同じくらい、自分自身と向きあうような歌も多くみられました。

新年あけて初めての活動は連句会。1月7日に令和五年銀竹歳旦連句興行を予定しています。
また、次回の定例会は句会で、1月20日に開催。
第二回ネットプリントの準備も着々とすすんでいます。
それでは、今年もどうぞご贔屓に。
(報告者:植木まい)

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