見出し画像

科学者たちが語る食欲、を読んだ

僕は運動をよくすることもあり食事の内容には多少なりとも気を使っているつもりである。しかし、テレビなどで紹介されているような曖昧な知識しかないため、比較的最近の出版(‎発売日 2021/1/18) かつ評価が高いこの本を知り、読んでみる気になった。

感想

第1章から第10章までは、とにかく研究や科学の内容に圧倒された。実験や検証と聞くと清潔なラボの中で粛々淡々と作業しているイメージがあったが、途方もないパターンを長期間にかけてデータ収集する話は本当に頭が下がる思いだ。

第11章の現代に入ってからは、自分の身の回りの話になり自分ごととして捉えることが多かった。ここからは多くのメモを残しながら非常に興味深く読み進めることができた。バッタの実験から始まり徐々に人間に近づき、この章で今までの流れを説得力に変えて問題提起に変えている流れは構成の良さを感じた。たっぷりと前半で研究をベースにして見えてきたことを前提にしていることもあり、社会や政治への問題提起が鋭く刺さる。

この本によると、タンパク炭水化物の食事は筋肉の成長を促し繁殖力を強化するが、タンパク質のとりすぎは老化を早め寿命を縮める生物学的プロセスが作動するらしい。運動をしてプロテインを飲んでる僕としてはなかなか衝撃的な内容だ。太く短く生きるか、細く長く生きるか…

と、ここまで単純な内容ではなく、ライフスタイルに合わせて適正な栄養バランスの話も出てきて今後の自身の食事の内容をどうするかを決める情報が提供される。他にも、本書では多くの食に関わる様々なプラクティスを紹介してくれる。食事改善を考えている方ならぜひ一度手にとってみてほしい。

自分に必要なタンパク質を計算してみた

14章 教訓では健康的で楽しい食生活のロードマップの一つとして「タンパク質ターゲット」を理解する話が載っている。今までカロリー計算などしたことなかったけどこれを機にやってみた。

ステップ1

1日のエネルギー必要量を推定する。これは「ハリス・ベネディクト法」と呼ばれる計算式が紹介されている。検索してみると、計算してくれるサイトがすぐに出てきた。このサイトで自分の身長体重年齢を入力し計算したところ

男性の場合は 1395カロリーです。
https://calculator.jp/health/harris-benedict/

とでた。

ステップ2

このカロリーからどれだけタンパク質を摂る必要があるかを推定する。僕は(ギリギリだけど)「成熟した成人(30代)」のため、0.17 の係数をかける。1395 * 0.17 = 237.15 。

ステップ3

ステップ2 で出した 237.15 を 4 で割る(タンパク質は 1g あたり 4kcal 計算なので)ことにより、1日に摂取すべきタンパク質のグラム数を算出できるらしい。237.15 / 4 = 59.2875。僕は1日約 60g のタンパク質を取るといいらしい。

タンパク質60gというのはどれぐらいなのだろうと思っていたところに、主要な食品のタンパク質や炭水化物の含有量を乗せた一覧表が現れてくれた。それによると 60g のタンパク質を摂取する目安としては

  • 牛肉だと 200g ちょい

  • 鶏肉/魚だと 300g 弱

  • 卵だと 450g (!?)

という感じだった。そこそこ食べる必要があるなぁ。肉料理を食べるとオーバーするけど、意識しないと不足するという絶妙な量だ。

さらに読み進めると運動時は 20~30g タンパク質を多く摂ることが筋肉量を増やすのに良いと書かれていた。つまり運動した日はいつもより肉を 30% ~ 50% 増しを目安に摂取すると良いのだろう。ざっくり牛肉 100g 増しだ。

またはプロテインなどで補給する場合を考えてみる。例えばこのプロテインだと、一食とされるスプーン一杯(25g)に含有されるタンパク質は18gである。なので運動した日はいつもの食事に加えてプロテインを一杯強摂取するだけでいいと単純化できそう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?