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一時帰国の難しさ

オミクロンが流行る前に、来年頭出発の日本行きのチケットを家族3人分取った。
その頃はコロナワクチン摂取を完了していれば、隔離が短くなる可能性があるとか何とかで3年ぶりに、そして孫に会わせる為、思い切って予約した。

通常、ヨーロピアン夫は日本渡航時にはビザが必要ないのだが、コロナの為短期ビザが必要と情報を得て、在英日本大使館に確認し申請準備をした。
以下、2021年11月末現在で必要だったもの。

ー申請書
-写真(6か月以内に撮影されたもの)
-申請者の旅券
-UK滞在許可(以下3点の中からいずれかをご用意ください。)
 
ⅰ. BRP card and photocopy (both sides).
ⅱ. UK Residence Permit/Entry Clearance in passport and a photocopy of the permit.
ⅲ. 'Share code' and 'Your immigration status' printout from gov.uk showing your name, ID photo and immigration status.​

-日本人配偶者の日本の旅券(コピー可)
-日本人配偶者の英国での滞在許可がわかるもの(コピー可)
-Employment Letter (申請人ご本人が勤めている場合)
-直近3か月分のバンクステートメント
-Schedule of Stay in Japan
-婚姻の事実が載った戸籍謄本(3か月以内に発行されたもの)(査証の申請はコピーでも対応可能ですが、受領時に必ず原本の提出が必要です。)
-招聘理由書(Invitation Letter)
-日本人配偶者からの身元保証書(Letter of Guarantee)

戸籍謄本は、日本入国時に入国管理局へ提出が求められる事もあるらしく、大使館のアドバイスの通り2通取り寄せた。

そんなところに、両親から悪い知らせが届いた。
父の癌が見つかった。膵臓がん、ステージ4の余命宣告付。
やっぱり秋に日本に行っておけばよかった。
大分前から今年秋に日本に行きたいと思っていたが、夫や色々な都合が重なり泣く泣く断念した。自分の直感に沿って行動していればと、ただただ悔しかった。

今後の治療がどう進むか分からないとのことだったので、夫のビザだけは進めておこうと申請をしたところに、12月末までの外国人の入国禁止措置が発表。
発給が出来ないとすぐに大使館から連絡が入った。

日本が感染症対策に重点を置いているのは、とてもよく分かる。が、外国人というだけで正式な「家族」が入国出来ないのは、正直理解出来ない。一緒に生活しているので、感染リスクは同じ。

仮に、同措置が夫の国で行われたとしよう。夫と息子は問題ないが、私は日本人なので入国できないなんてなったら、差別的だとニュースになるだろう。
どこかでボーダーラインを引くのであれば、「配偶者と一等親に当たる外国籍の者」などに出来なかったのか。島国ならではの政府の対応に呆れている。

特段の事情がある場合、例えば診断書を提出して、大使館経由で日本に書類を送って承認される場合もあるみたいだが、どのくらいの日数がかかるか不明で、抗がん剤の副作用で体調の悪い父に、診断書を送ってとは言えなかった。

夫がどうなるか分からないので、今は息子と二人での一時帰国の情報を集めている。
成田や羽田空港近辺の隔離ホテルが満室で、地方に飛ばされる様な話をTwitter上で見た時は、家を出てから隔離ホテルまで、30時間超えを覚悟しなければならないと悟った。肉体的にも精神的にも疲れた状態で、6日間の隔離明けまでどうワンオペするか、それが今の大きな悩みである。

最後になるが、大使館の職員の方々にはこの状況下でも、丁寧に対応頂いていて感謝している。また空港で帰国者の対応をしているスタッフ、隔離ホテル等のスタッフの方々など、現場で働いている方々も大変だろうと思う。それでも笑顔で対応されていると誰かのTwitterで見た時には、流石日本だなと嬉しく、誇らしく思った。



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