【出産記録】第二話『疲労と痛みの向こう側』

前回→【出産記録】第一話『高位破水』


入院後、徐々に陣痛らしき痛みが増してきた。
間隔はバラバラで痛みもバラバラ。
ただ破水してるので注意深く観察。

夜中になると本格的に痛みが増すものの、間隔はバラバラ。
今思えば痛みレベルは4。
喋れるし食べられるしネトフリ見れる。
痛みの合間に仮眠を取る。
その間も定期的に赤ちゃんの心音を聞きに来てくれる助産師さん看護師さん。
毎回傷みの逃し方や、お腹の張りの度合いを見てくれて、その時だけすごく安心できた。

明朝6:00起きて体温測定37.2度
破水の量が減ってる気がする。
8:00過ぎに担当医の内診で促進剤決定。 
9:00頃から打ち始め、9:30に夫到着。
その頃には促進剤が効いてきたのか痛みが増し始める。
今思えば痛みレベルはまだ6。

夫はおしりにテニスボールを押し当てる。
私は「これ効いてるのか…?」と思いながらも一応やってもらう。

『今思えば』だが、もう痔が出てて押し当てられても痛いだけだった気がする。
痔持ちにはテニスボールおすすめしません。
しかも夫がなぜか押し当てながらグリグリ動かすので必死に「グリグリしないで…」と伝えるもその後も少しグリグリさせる夫に少しキレていた。
産後聞いたらなぜかたった2本の指で抑えていたらしい。



いやいや、
手のひらで抑えたらいいやん…
物理的に絶対にその方が安定するじゃん…
なんで2本指なんだよ…


「お昼ごはんの鮭のポテト焼き食べたかったなあ」
とか思いながら痛みレベル8に。
さすがに痛いしいきみたくなり始める。
たぶんこれがPM1:00ぐらい。

痛みといきみの波に振り回されながら
PM2:00分娩室に移動。
かと言ってすぐに『出せる』わけではない。

この時点で痛みを感じ始めてから約26時間。
26時間、徐々に増す痛み、いや、
想像できない痛みに、
いつ到達するのか分からない、
のに確実に向かっている。26時間かけて。
しかもこの時点でまだMAXではない。

暗い分娩室で3人で頑張って呼吸する。
酸素マスクを装着し、
いきみを逃しながら赤ちゃんを下に降ろす。

・フーフー、吸って〜、いきむ!
・フー、いきむ!フー、いきむ!
・吸って〜、ハッハッハッハッ
・吸って〜、ため息〜

何パターンありまんの???

出産の呼吸…
壱の型 深呼吸 ってか

バカヤロウ

「赤ちゃん苦しいみたいだからこっちの呼吸にしよ」
「ちょっと休憩〜深呼吸〜」

助産師(看護師?)さんの指示がなければ私は死んでいたでしょう。

助産師さんが
「18時までには生めるかな…?」
と予定時間を宣言。
夫は「良かったね!あと3時間だよ!」と、
私を励ます。



はああ…?
正気…?
あと3時間…?
疲労も痛みもMAXのこの状態を

 あ と 3 時 間 … ? ?


誰が喜べるか!!!
今すぐ生ませろ!!!!

と言っても無理なのは承知なので我慢。

とにかく言われた呼吸の型を繰り返す。



赤子が爆誕するまで
あと1時間



次回

【出産記録】第三話 『気合』


絶対見てくれよな!

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