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ゲームをプレイし直しました: Monster Hunter: World + Iceborne


どういう記事か

プレイしたゲームの感想やらなんやらを書き留めるための記事である。例によって、評論やレビューの類というよりは個人の経験やその時の感情に基づいて書き散らしただけの何かなので、購入判断の参考になるかは保証しない。

前回の記事はこちら。

Monster Hunter: Worldは2018年発売のタイトルで、言わずと知れた世界的な大ヒット作である。それまでのモンハンシリーズの伝統をうまく引き継ぎつつ、(当時の)次世代機ならではの緻密なグラフィックと(当時の)現代の市場にそぐうよう再設計されたゲームデザインによって、シリーズに触れてこなかった人や昔プレイしたことがあった復帰者の呼び込みに成功し、一大ムーヴメントを引き起こした。

そんなゲームをなぜ今更プレイしたのかといえば、タイトルにある通りやり直しだからである。俺は普通に本編もDLCもPS4版の発売日に買ってプレイし、合計で600時間くらいはやりこんでいる
2025年にシリーズ完全新作のWildsが発売されることが予告されていることもあってか、Steamにおいて本作は再ブームとも言える状態になっている。個人的にどこかのタイミングでPC版でやり直したいと思っていたところであったので、物は試しで改めてもう一度プレイしてみようかなと思い立った次第である。
(というか、本当はDOD2を買ってプレイするつもりだったのだが、あまり評判がよくなかったので尻込みしてこっちをやることにした)

したがって、本記事は「もともとかなりやりこんでいたプレイヤーが、数年ぶりに改めて一からプレイしてみた」という状態で書くものになる。これによっていつにもまして記事の当てにならなさが上がっている気がするので、いつも以上に物好きな人だけ読んでくれればいいと思う。
ちなみに、本記事ではPC版でのプレイを前提とし、特段の断りがなければ本編であるMHWと拡張版であるIceborneを一体のものとして扱う。なぜならいちいち注釈をつけるのが面倒だから。

総評

なんだかんだでやっぱおもろい。この一言に尽きる。
世界観構築が緻密で、どういう環境で何が起こっていてお前が何をしなくちゃいけないかというのが違和感も嫌味もなく提供されており、そこに質の高いアクションとレベルデザインが合わさり最強に見える。フィールドやシステム面はMHXX以前の作品群と比べるとほぼリファインされているが、モンハンシリーズの面白さのコアは失われていない。見事なバランスである。
惜しむらくはところどころ本来やりたかった要素が実現できなかったからこうなってるんだろうなーと察せるような演出面やアクション面のちぐはぐ感や制約が散見されるところが、それらはそんなに気にならない、というか補って余りあるだけの魅力がある、そう感じさせられる作品であるというのを再プレイで再度実感することができた。

良いところ、悪いところ

MHWより前のモンハンシリーズは、何度かのリニューアルを挟みつつも、基本設計についてはPS2時代の初代MHからある程度の要素を引き継いできた。
MHWにおいてはこういった過去の遺産の清算がなされており、モダンなゲームデザインかつシリーズ未経験or復帰者にも優しい仕様となっている。例を挙げれば戦闘マップのシームレス化、ペイントボール廃止、スキルのポイント制からレベル制への移行、モンスターやプレイヤーキャラクターのモーション刷新などなど。

この中でも特にマップのシームレス化が大きい。セクションごとのロードがなくなったという快適性についてはもちろん、グラフィックの高精細化と精緻になったフィールドに住まう大型モンスターを含む生物群の生態表現が組み合わさることで、狩りのフィールドが実際に生きた環境であるかのような臨場感を感じられる。
例えば、とある大型モンスターと戦っているとする。すると周囲の小型モンスターは、普段は好戦的なのに異変を感じて物陰で隠れて警戒するようになる。ここで大型モンスターをダウンさせると、隠れていた小型モンスターも日ごろの恨みとばかりに大型モンスターを一緒に攻撃してくる。こうなると大型モンスターのほうも激昂し、プレイヤーを執拗に追いかけるようになる。これをうまく利用し、フィールドに潜む格上の大型モンスターの寝床まで誘導してやる。すると、大型モンスター同士の特殊生態行動である縄張り争いが発生し、ターゲットに大ダメージが入る。ここで発生した隙を利用して、フィールドギミックを発動して大型モンスターにぶち当てさらにダメージ……といった具合に、フィールドの中でダイナミックに変化する状況をうまく活用しながら狩りを進めていくという、実際にそこにある世界の一員として環境とかかわっているかのような臨場感を感じながらゲームをプレイすることになる。
まあ、この辺は慣れてしまうと「そんなもんか」になってきてしまうし、新鮮な感動を味わえるのは比較的序盤のうちだけかもしれない。エンドコンテンツに差し掛かり特定のクエストを高速で周回したいような場合、そういった予測不能な不確定要素はストレス要因になってしまう。今はアップデートがすべて盛り込まれている状態であり、各種入手困難なアイテムの救済クエストも充実しているので、往時の状況よりもだいぶ楽になってはいるが。

また、上記でもちょっと触れたがやはりこのゲームは高精度のグラフィックも魅力だ。モンスターや植生、エフェクト類などの表現が非常に高品質で、臨場感の演出に一役買っている。さすがに2024年現在の最新鋭ゲームのグラフィックと比べるとところどころ見劣りする部分が目立つようになってきてはいるが、「6年前のゲーム」と言ってイメージされるような粗さでは全くない。公式の高解像度テクスチャパックの適用ができるグラボや3桁FPSを表示できるモニターがある環境であれば、全体的な動作の軽さ・スムーズさも相まってグラフィック面で不満を感じることはないだろう。

上で書いたような実際にビジュアル化された世界観をプレイヤーに伝えるためのものとしてのストーリーの出来は、一言でいうとまあまあである。
ゲームの舞台である新大陸がどういうところで、そこで活動している人たちはどういう人々で、今そこで何が起こっていて、したがってお前は今何をしなければならないかというところの説明は的確に行われており、臨場感の演出に十分な働きをしている。そうは言ってもシナリオ自体の意外性とか面白さみたいなものはそんなでもないし、プレイヤー自身に決断を迫るような要素もない。突き詰めれば結局はモンハンのシナリオなので、ストーリーの面白さ目的に本作をプレイするのはお勧めしない
特にイケてないのが、所々これ明らかにゲームデザインとシナリオが合ってないだろと感じられてしまう部分が散見されるところだ。例を挙げれば、ゾラ・マグダラオス戦周り全般や、ドス古龍との連戦が入る辺りなど。本当はやろうと思っていた演出が、ゲーム開発の都合で対応する仕様が入れられないことになり、だがもうシナリオは変えられない段階まで来てしまったので、結局ちぐはぐなものが出てしまったみたいな事情だろうと想像している。この辺りはまあツッコミは入れつつ楽しめるところで楽しむという感じで肩の力を抜いて見るくらいが丁度いいだろう。また、仕様や制約に対する理解が進んだのか、Iceborneのシナリオに関してはそのあたりはだいぶマシになっている。

イケてない要素をついでにもう一つ言うと一部のアクション面、というかクラッチクローの仕様がイマイチである。
Iceborneにて追加されたアクションで、モンスターに張り付いてぶっ飛ばしたり傷をつけて肉質を柔らかくしたりできるのだが、開発がこのアクションを使ってほしいあまりこれを使わないとプレイヤーが露骨に不利になる仕様になってしまっている。クラッチで肉質を柔らかくできるから元の肉質がクソ硬くなっていたり、ぶっ飛ばしで大ダメージを与えられるから元の体力がクソ高くなっていたりといった具合だ。アクション自体は見栄えがいいが、リリース当初は武器ごとの格差も酷かったし、乗り攻撃といった既存の要素ともカニバってしまっている。
次作のRiseにおいては翔虫と操竜という新規追加の(そしておそらくはRise限定の)要素によりここがうまく整理されているが、そのあたりについては後述。

マルチプレイについてはだいぶ敷居が下がっている。救難信号というシステムによって、ソロでプレイしていて手こずったら簡単な操作で救難を出してほかのプレイヤーに手伝ってもらうという動きが簡単にできる。知り合い同士で集会エリアに集合してマルチでクエストを回すみたいな動きも取りやすい。
評価は賛否両論だが実質マルチ専用のクエストも存在する。こちらは今となっては周回は必須ではないので、肩肘張らなくてもいいと思う。

スキルシステムの刷新やクエスト種別の変更など、ゲーム進行の部分でも既存の作品からリニューアルが行われ、直感的に何をすれば先に進める/強くなれるかが分かりやすくなっている。また、調合が必ず成功するようになったり、図鑑でモンスターの弱点まで細かく確認できたりするようになったりなど、ユーザーへの福利厚生も過去作と比べるとだいぶ充実している。
とはいえ、これによってゲーム自体のやりごたえがなくなっているということは全くない。モンスターを倒して得た素材で装備を強くしてより強いモンスターを倒す……という基本のループは健在だし、相変わらず面白い。エンドコンテンツもやることが充実している。

ただこのエンドコンテンツのうち、Iceborneのクリア後に開放される導きの地の仕様が非常にイケていない
導きの地というのは、平たく言うとここで狩ったモンスターや環境の調査具合に応じてフィールド側のレベルが上がり、出現するモンスターや手に入る素材が変わるというローグライトっぽいコンテンツである。このフィールド側のレベルが変動するというのが問題で、欲しい素材があったとき、まずその素材に対応するモンスターが出現するように地帯レベルを調整しないと素材集めの土俵にも立てないという仕様になっている。つまり欲しい素材を出すモンスターを狩るまでに別に用事もないし戦いたくもないモンスターを何体も狩らないといけないというものになっているというわけだ。
マルチで協力できる仲間がいたりすればだいぶ楽になるが、都合よく欲しい素材が出るフィールドを持っている人を探すのも難しい。アプデで緩和や調整が行われてはいるが、根本の設計が良くないので結局面白くない。コンセプト自体は好きなのだが……

今からこのゲームを進めるにあたっての留意点

このゲームは2018年にリリースされ、その後の無料アップデートや拡張パックの発売によって徐々にコンテンツが増えてきたという背景がある。それらアップデートによる追加コンテンツは、基本的に本体のやりこみ要素を消化した人向けのバランスや難易度である場合が多い。
だが今からMHWを始めるとなると、ストーリークリア直後で特に準備が整っていない状態でそういった追加コンテンツをわさっと触らされる流れになる。これによりナナ・テスカトリや激昂したラージャンといったアプデ追加モンスターが本編のメンツに比べてクッソ強いみたいな感覚に陥りがちなので、ここはそういう事情があったんだなーというのを頭の隅においてプレイしたい。

これが特に顕著になるのがIceborneの最終追加モンスターであるミラボレアスだ。こいつはMHW+Iceborneをプレイし続けてくれたプレイヤーへの最後の挑戦状というかご褒美みたいなやつで、こいつから得られる素材で作る装備は公式チートといっていいくらいのとんでもない強さを誇っている。したがって、MHWの最強装備みたいな感じでググると必ずミラボレアス装備を作れと言われることになる。
ということは、ミラボレアスのクエストを受けられるようになったらまっすぐミラボレアスに挑戦するのが良い……となってしまうのだが、これが大きな落とし穴である。ミラボレアス自体には本編クリア直後に条件を満たせば挑戦することができるのだが、こいつの強さはミラボレアス以外のコンテンツをしゃぶりつくしていることが前提みたいなバランスをしているため、最短で挑戦してもソロ討伐どころかマルチでのクリアすら非常に難しく、そのようなプレイヤーが野良マルチに混ざれば周囲から冷たい目線にさらされること請け合いである。
また、前述の通りミラボレアス装備は間違いなく最強なので、もしまかり間違ってミラボレアス装備を手早く揃えられてしまったら、その時点でほかにやることがなくなってしまう。突き詰めればモンハンは過程を楽しむゲームなので、ちゃんと丁寧に一歩ずついろいろなコンテンツを触りながら徐々に強くなっていき、満を持してミラボレアスに挑むというスタイルを勧めたい。

具体的には、Iceborneのストーリーが終わったら、ちゃんと本編のエンドコンテンツである導きの地を周回し、イベクエで装飾品やらなんやらを集め、武器防具をガッツリカスタム強化し、ベリオロス特殊個体の武器を作り、そいつで臨界ブラキや激昂ラージャンをシバき、ムフェトやマムタロトを周回し、その後アルバトリオンをシバいて、その後やっとミラボレアスへの挑戦を視野に入れるみたいな進め方がいいだろう。
一見オーバーキルに見えるかもしれないが、ここまで準備しても初見では手も足も出ずコテンパンにやられるくらいにはミラボレアスは強いので安心してほしい。

また、過程を楽しむためという同じ理由において、初心者向け装備として案内される防衛隊シリーズだかいう装備も使わないことをお勧めする。これを使うと確かにストーリー攻略は楽になるのだが、ストーリー攻略中ほどモンハンの基本かつ一番面白い部分、すなわち狩ったモンスターの素材を使ってより強い装備を作りそいつでより強いモンスターに挑むという醍醐味を無視して駆け抜けられてしまうので、正直体験としては損だと思う。

Rise + Sunbreakとの比較

MHWおよびIceborneの比較対象としてよく挙げられるのが、2021年発売のMonster Hunter Riseとその拡張コンテンツであるSunbreakだ。

RiseはMHWでのシステムリニューアル後に出た作品ということで、MHWでの新要素を引き継ぎつつ新アクションの追加や再整理などを行い、別のテイストに仕上げた作品になっている。
この2作品の単純比較の難しさは、MHWとMHRiseのコンセプトの違いにある。RiseはNintendo Switch向けに開発された作品で、MHWと比べるとよりカジュアル向け、携帯機向け、プレイヤー側のアクション重視、快適性重視、といった感じだ。そして何より前提となるゲームハードの違いにより、RiseにくらべてWorldのほうが明らかにグラフィックが高度だ。RiseもPC版についてはグラフィックが向上しているが、それでもMHWと比べるとその差は一目瞭然である。
一方で、アクションの多彩さや選択肢の多さ、派手さはRise側に軍配が上がる。翔虫というギミックにより立体的でスピーディーな動きがとれるようになっているほか、操竜というモンスターに乗っかり操って他のモンスターを攻撃したり壁に突進させて大ダメージを与えたりできるアクションが追加されたことで、プレイヤーアクションの快適性を向上させるとともに、煩雑化していた乗りやクラッチクローといったモンスターに干渉する要素を整理したうえで、一体のモンスターに対する狩りのうち(大体の場合)一回だけ発生するボーナスタイムのような扱いにすることで、練度による差を最小化する工夫がされている。

よって、この2作品の比較には個々人の好みが多分に影響する
Rise側のアクションやフィールド移動の快適さ、システムの親切さを知ると、Worldのモッタリとしたアクションや遅い移動、プレイヤー不利に働きがちなフィールド構造やほかモンスターの乱入などのストレスには耐えられないという意見が散見される。一方で、MHWのリアルなグラフィックや緻密なエフェクト表現による没入感は代えがたく、MHRiseは劣化版というか、MHWを模したオモチャであるかのように映る場合もあるようだ。またWorldはアクション制約が多いからこその没入感や壁を乗り越えた時の達成感があり、Riseは無双系ゲームをやっているかのようで冷めてしまう、という感想も理解できる。
また、なぜかRiseでは過去作のような里クエ(過去作で言う村クエ)と集会所クエという区分けが復活していたりなど、一部システムが先祖返りしている。この辺は過去シリーズのプレイヤーにとっては馴染み深くとっつきやすいかもしれないが、MHWでシリーズに初めて触れたプレイヤーにとっては混乱のもとかもしれない。

上記の両作品のコンセプトの違いを鑑みたうえで俺個人の好みで言ってしまうと、やはりMHWのほうが好きである。
確かにRise側のアクションや福利厚生が恋しくなる場面も多いのだが、世界観設定やそのプレゼンがうまいMHWと比べると、Riseの種々のアクションやその設定はギミック臭いと感じてしまう。都合よくプレイヤーのアクションを鬼強化してくれる虫がその辺に転がっていて、そいつを使った攻撃を続けるとモンスターが思考も行動もプレイヤーに支配される状態になり、そいつでもってモンスターを壁にぶち当てようとしてやるとそこにモンスターを壁にぶち当てると追加ダメージを与えるためだけに生息している生物がくっついていて……ってなノリなので、フィールドに設置されているオブジェクトが全部プレイヤーを接待するための装置にしか見えなくなってくる。突き詰めればゲームにおけるフィールド上のオブジェクトなんて全部プレイヤーを楽しませるための舞台装置ではあるのだが、Riseに関してはそれが露骨である。
その点、「フィールドに転がっている石や木の実を有効活用できるように、こいつらをはめて射出できるスリンガーを作ってみた!さらに爪みたいなやつを射出してモンスターに張り付くこともできるようにしたぞ!こいつらを周りの状況に応じて有効活用して、生き延びるための一助にしてくれ!」と言われると説得力があるし、ギミック臭さはそこまで目立たない。

また、アクション面についてもRise側を手放しに褒められない部分がある。
Riseのアクションのほうが派手で多彩なのはそうなのだが、ゲームスピードの速さとグラフィックの都合によるエフェクトの品質から、どこか軽くてチープな印象を受けてしまう。また、Sunbreakにおいて顕著なのだが追加される多彩な、というか多すぎるアクションを全部習得し、行くクエストに合わせてセットを工夫したり戦闘中に入れ替えたりしながら戦わないといけなくなっており、いくらなんでも煩雑すぎる。ただでさえ14種類も武器種があるのに、ほかの武器種でもこんなのをいちいち覚えて習得しないとまともに戦えないとなるとさすがにしんどい。
アクション面で言うと、これは完全なる自分の趣味なのだが、自分のメイン武器であるランスの出来がRiseではお粗末すぎる。ランスはデカい盾によって相手の攻撃を防いで返しに痛撃を与えるのを繰り返す武器なのだが、Riseでは多彩なアクション実装によりほとんどの武器種がカウンター技を習得しており、デカい盾を抱えて戦う意味がなくなってしまっている。その盾自体もスキルでガード性能とかを積みまくってもなぜか削りダメージをゴリゴリ食らうし、なぜかほかの武器種の追加アクションによるカウンターでは一切ダメージを食らわない。こっちが基本アクションの性能を確保するために消費するスキルの枠でほかの武器種は火力を上げることができる。こんな有様なので、RiseとSunbreakのアクションは最後まで自分の肌に合わなかった。

とはいえ、この辺りは完全に好みの問題である。どっちが自分に向いているかわからないという人はとりあえずどっちもプレイしてみればいいと思う。Riseに対していろいろ文句は言ったが自分も別にRiseもSunbreakも好きなゲームではあるので、やって損はないと思っている。

まとめ

世界観設定とそのシステムへの落とし込み、高度なグラフィック表現、魅力的なアクションや敵モンスター、充実したやりこみ要素といった、一つでもあれば売りとなる要素を複数高い次元で実現している、非常に優れたゲームである。2024年現在においても、市場の最新のゲームと比べて明確に遅れているような要素は目立たず、質の高い体験を提供してくれる。欠点や不便な点が散見されるのは事実だが、それらをひっくるめて「新大陸でハンターとして生きる」というスタイルの一部であると感じさせるような不思議な魔力のある作品だ。
そういった魔力が、リリースから6年たって過去最高クラスの同時接続者数を記録する再ブームが発生したり、筆者のような既プレイ者を再び呼び込むような原動力になっているのだと思う。合う合わないややり込みのモチベーションが湧くかどうかは好みの問題だが、歴史に残る名作であると言われるだけの理由があるのは間違いないので、物の試しでプレイして損することはないだろう。Steamでは定期的に大幅なセールが実施されているのもあり、時間に余裕さえあれば是非お勧めしたい。

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