見出し画像

問いと身体性|MAKERS U-18にてワークショップを実施しました

こんにちは、ギンエンの東です。

この度、わたしが所属しているMAKERS UNIVERSITYの姉妹プログラム、MAKERS U-18で「問いのワークショップ」を担当しました。

何度か、キャリア教育のコンテンツとして、中高生向けに実施していたワークを、すでに起業していたり、何か自分自身のプロジェクトを動かしている高校生と一緒に体感する機会をいただきました。

▼過去の実施内容はこちら

そもそも、なぜ問いを扱っているのか。

大学院生と会社経営の二足の草鞋を履く生活をしながら、常に共通してやっていることを振り返った時、結局、どちらでもやっていることは「問い」を立てることであると気付きました。

WEB制作では、なぜ、この事業を始めたのか、それはどのようにお客様の内的な想いと繋がっているのかを知るために、様々な角度から、問いを投げかけます。研究では、社会で起こっていることを、大きな言説の前提から問い直し、再解釈していくようなことを行なっています。

他にも、様々な仕事を振り返った時に、常に相手や自分に問うことを意識していました。

なぜ「高校生起業家」と言われる人たちにこのワークを提供したかったのか

MAKERS UNIVERISTY U-18は、かなりの倍率を突破した高校生が参加します。高校生起業が当たり前になりつつある時代。早くから挑戦することには賛成ですが、大人のアドバイスや期待に応えようとした結果、自分の方向性を見失ってしまい、潰れてしまう10代もたくさん目にしました。

これは、おそらく、年齢に関係なく「虚像」を作ってしまうということはあるあるなんだろうと思います。

そこで、今回のワークを通じて、こんなことを受け取ってもらえたらいいなと思いました。

ただ、ビジネスを作り出す機械としてではなく、人間として、どうして、ひとつの命を使ってまで、そのプロジェクトに取り組み続けるのか。

それを、考える時間を持ってもらえたら嬉しかったし、自分自身も常に考え続けています。

「問い」がお互いのギフトになる

MAKERS U-18のWEBサイトには、このようなボディコピーがあります。

Z世代、AO入試、高校生起業家。
誰かの語る「僕たち」は、
いつもどこか数センチ浮いている。

幸せにしたくて堪らない人がいる。
つくりたくて堪らないものがある。
変えずにはいられない世の中がある。
貫かずには死ねない意思がある。

僕たちはそれだけの、
小さく熱き反逆者だ。

「求む、高校生起業家!」
求められるから応えるの?
映える色の広告なんて破り捨てて、
君にしか描けないでっかい絵を描こう。

社会の眼差しを越えた、
君の眼に映る世界を教えて。

今、もがけ、今、つくれ。今、すすめ。
妥協ができない人生を、
さあ、一緒に踏み進めよう。

熱中するものに、全力で突き進む、
不器用で、貪欲で、最高にかっこいい、
君の狂気を応援させてくれませんか。

不安も、悔しさも、嬉しさも。
すべてひっくるめて待っているよ、
君が本気で信じる世界と。

まさに、高校生起業、課外活動戦国時代を生きてきた当事者ならではの視点だなと感じさせられました。

わたし自身も、高校生から様々な活動をさせてもらうなかで、他人の期待に応えようとして上手くいかなかった経験を何度もし、今も、集中が切れると、勝手に応えようとして方向性を見失いそうになることがあります。

そんな時、いつも助けられているのが、MAKERS UNIVERSITYで出会った同期からの「問い」です。見栄を張らずに等身大でいられるからこそ、頑張りたい自分とどうしても上手くいかない自分、両方を見せて、問いに応えようとすることができます。

・その言葉を発するとき、どんな感覚?
・全部なくなってもいいと思えるほどやりたいことはある?
・魂が震えるほどの瞬間は?

このように、あまり普段の会話では出てこないような「問いのギフト」をこれまでたくさんもらってきました。

このような経験をもとに、下記のテーマを設けました。

①等身大でいられる友達になろう
②深めて学び合える友達になろう

これが、ワークの中で目指した関係性です。つまり、単に、問いのハウツーを伝授するコンテンツではなく、問いたくなる関係性づくりを土台にワークを進めました。

「問い」は単なる言語遊びではない

わたしの考える問いについて思索を巡らせた時、最も力が入るのは①問いを投げかける時に「身体性を考慮する」こと。そして、逆に②問いを投げかけられた時、それに応えようとする自分の「身体の状態」を常に観察することです。

つまり、言葉を発しようとする時、無意識にはたらく自分の身体の反応を探ると、その意思決定や答えが本当に自分が素直に考えていることなのかというのが分かります。

「この言葉を発している時、身体のこの部分が緊張しているな」
「お腹がきゅっと痛くなるな」
「焦ってしまい冷や汗をかくな」
「どっしりとした感じがあるな」

いろんな感覚を身体から感じられるようになると、見栄を張りすぎて大事故になったり、違和感を無視しして金銭的なリターンだけを求めた意思決定をするということが減るなという感覚が自分の中にもあります。

単に言語遊びとして、A or B や A & B と答えを出すための問いではなく、もっと感覚や無意識を引き出すような問い。また、問いかけのための関係性作り。

問いの技術メソッドはたくさんあるけれど、それ以外の部分があまり語られていない印象です。

ギンエンのワークでは、この部分をさらに伝えられるような構成で問いを体感してもらいたいなと思っています。


このワークを担当させてもらったことで、間違いなく、未来は「身体感覚を伴う問いかけ合いにある」と感じました。

ただ、共にそこにいることで引き出される。頭だけで考えるのではなく全身から湧き出る感覚から答えを導き出す。そんな問いを体感してもらえるよう、問いの力を深化させるプロジェクトを今後も続けます。


教育機関のご担当者様、企業研修のご相談は、info@gin-en.jpまでご連絡ください。

合同会社ギンエン・東詩歩
個人事業主、NPO、スタートアップなどの小規模事業者を対象に、月額制のWEB制作プランを展開。和歌山大学観光学研究科(修士課程)に所属しながら、問いを立てることを軸に起業とアカデミアの世界を往還中。
https://gin-en.jp/

トイドク -問いから始まる読書ラジオ- 配信中
https://beacons.ai/toidoku

SPECIAL THANKS
アイキャッチ:平翔馬(@shoma.taira
協力:井手尾雪 (@livein_sandroom)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?