トレヴァー・ノートン「世にも奇妙な人体実験の歴史」書籍紹介

邦訳は文藝春秋より。


これまでに存在した奇妙な人体実験を、テンポよく綴った軽い文章である。


自らを実験台にしてこっぴどい目にあった科学者たちの様子が、時にコミカルに綴られている。

感染症患者の膿を自分に塗ってみたり、麻酔を自分に打って足を刺してみたり。

俗にいう「マッドサイエンティスト」にしてはあまりに自虐的もしくは自己犠牲の精神にあ振るる科学者が、こんなにもいたものかとため息をつく。


彼らの実験が現代科学に大きく貢献したかどうかは例によりけりだが、「好奇心は猫をも殺す」という英語のことわざが脳裏に浮かぶような一書であった。

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