往診の加算について6月から改定。初めての患者さんに往診した場合は減算。打撃なのか?それでも「往診」は続けるのか?

今年3月、厚生労働省から6月1日からの診療報酬の改定の内容が通知されています。
その中で往診についても改定がありました。
普段から訪問診療を行なっていたり、外来で診たりしている患者さん以外に対しての
夜間・休日往診加算と深夜往診加算が大幅に引下げされました。
在宅療養支援診療所が行なった深夜往診加算で言うと、2300点から485点に下がります。


【以下一問一答】
この改定は、経営的に打撃ですか


田舎だと初めての患者さんに対する、休日や夜間、深夜の往診依頼がそんなに多数あるわけではありません。
せいぜい年に10数回。全部で年に20−30万円くらいの減収かと思います。
医師1人でやっているし、特に深夜だと私しか行けないので、運転から受付、患者を抱え上げて運んだり、全部1人でやらないといけない。
あまりしょっちゅうだと身が持たないです。

都市部に比べると診療所の経営的には大した話ではありません。だからお金の問題ではないです。
それよりは、お前のやっていることは適正ではないと言われたようで、精神的な打撃を受けました。やはり、正面からの具体的な説明がないのはきついです。
休日や夜間あるいは深夜の往診は先に示した症例のように非常な緊張を要する時があります。1人だけで患者宅に行き、生命に直結する患者さんを診療する時は、大袈裟ですが命を張っている気になる時もありますから。経営とか収入よりはモチベーションの問題でしょうね。


今後、どうしますか?
地方では中核となる病院の救急が疲弊しています。
休日や夜間、深夜にできるだけ、状態不明の患者を救急車で送りたくない、何とか自分のできることはしたいと考えて、依頼があれば休日夜間の新患も可能な限り往診してきました。
それに、結果として救急車を呼ぶ時も、自分が往診することで適切な搬送先病院を選定するのに多少は役立つと思いますし、そう実感したことも少なくありません。

今回の改定によれば、時間外の急患はかかりつけの患者でなければ、全部救急車を呼ぶ、あるいは直接救急病院を受診するのが適正であるということですから、救急を担っている基幹病院に対しても負担増になります。
医師の働き方改革で対応に苦慮している基幹病院にさらに負担をかけるというのが非常に心苦しいです。

私としては、地域のいろんな医療上の問題に、地域に住む医師としてできる範囲で対処するのは1人の住民としての役割と思っているので、これまでと対応は変えるつもりはありません。

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