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日本競歩代表大活躍・でもオリンピック競技除外?

今回の東京オリンピックで、日本競歩陣の活躍はすばらしかったですね。20km競歩では、池田選手が銀メダル、山西選手が銅メダルと2つのメダルを獲得、50km競歩では、メダル獲得はならなかったものの、川野選手が途中熱中症で嘔吐しながら見事6位入賞を果たしました。

私が高校で陸上競技をしていた時、実は顧問の先生に競歩への転向を薦められたことがありました。私のフォームはバネで走るタイプではなく、ピッチが速くぺたぺた走るタイプだったこと。また、5000m競歩がインターハイ種目になってそれほど経っていなかったことから、競技人口も少なく、インターハイへのチャンスもあるとの判断からでした。ちなみに当時の私は5000m(走り)で16分をぎりぎり切るくらいでしたので走るほうでは県大会にも行けないレベルでした。

しかし当時の私は走る競技へのこだわりがあり、どうしても走ることをやめたくなかったので、先生からの提案をお断りしました。大人になった今では、あの時競歩に転向していたらどうなっていたかな、と想像したりします。

そんなこともあって、高校生くらいからなんとなく気になって陸上の世界大会を観戦するときは、競歩も観るようになっていました。

私が高校生の時には、日本選手が入賞というのはなかなか難しかったのですが、当時順天堂大学の山崎選手が2005年の世界選手権で8位入賞をはたし、そこから競歩勢のレベルは上がっていき、世界選手権やオリンピックでもメダルを獲得、2019年の世界選手権では20km・50kmともに日本勢が金メダルを獲得するという快挙を成し遂げました。

50km競歩で金メダルを獲得した鈴木選手が、灼熱のドーハでのダメージが2年たった今でも残っていて、コンディションが上がらず東京オリンピックの出場を辞退したときには、50km競歩の過酷さを感じました。

そんな50km競歩が、次回パリオリンピックでは正式種目から除外されるそうです(20km競歩は残ります)。長い競技時間やテレビ視聴率など、商業主義に巻き込まれたということでしょうか。

もちろん、オリンピックがもたらす経済効果は大事なものですし、そのためにテレビ映えする競技が追加されたり、優先されることは仕方がない部分もあるのでしょう。大きなお金が動くからこそ、オリンピックがここまで大きく、権威あるものになった部分もありますし。

しかしそれでも、大きな大会だからこそ、ある程度採算は度外視してでも考えてほしいものもあります。50km競歩は五輪競技で最長距離の過酷なものです。また、歩型違反といって決まったフォームを守れていなければ失格になってしまうため、歩形にも気を遣いながら、レースの駆け引きも求められるシビアな競技です。フォームの違反で失格になる種目は陸上競技では競歩だけです。

50km競歩のメダリストたちも、この廃止には続々と反対の意を示しているそうです。私も非常に残念に思います。

スポーツにとって本当に大事なものはなんなのか。オリンピックの種目の選定を通じて、色々と考えるものがある、そんな夏の日でした。

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