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なぜドーピングをしてしまうのか

先日とても残念なニュースを目にしました。東京オリンピック男子4×100mリレーで銀メダルを獲得したイギリス代表のメンバーだったシジンドゥ・ウジャ選手のレース後の検体から陽性反応が出たことにより、暫定的な出場停止処分が下されたのです。

スポーツには、このようなドーピングのニュースがいつもついて回ります。一昔前に比べれば検査も厳しく、また精度も上がっていることから、違反をしようという選手は減ってはいるのでしょうが、それでも違反者は後を絶ちません。

ドーピングスキャンダルで、一番印象に残っているのはサイクルロードレースのランス・アームストロング選手です。彼は癌を克服して、世界最高峰と言われるツールドフランスを7連覇しました。現役の頃からがん患者への基金を設立するなど、アスリートの枠を超えて社会的な貢献もしている模範的な選手と思われていました。私もそう思っていました。

しかし彼は、その圧倒的な強さから現役時代ずっとドーピングを疑われてきました。しかし彼は常にそれを否定し、検査もパスし続けてきていました。

しかし彼の現役引退後、彼の回りのアシストの選手や関係者からの証言、その他調査結果から、彼のドーピングが認められ、彼自身もドーピングの事実を認めました。この事実がサイクルロードレースだけでなく、世界のスポーツに大きな影響を与えました。

ドーピングのニュースを見ていつも思うのですが、彼ら彼女らは、それに頼らなければならないほどのものなのでしょうか。頂点を決める舞台にたどり着くまでに、とてつもない努力をしてきているはずです。ドーピングなんかに頼らなくても、それまでに自分を信じられるだけのとんでもない努力をしてきているはずです。

また、ドーピングが発覚してしまえば、それまでに築き上げた地位を簡単に失ってしまうことになります。一度のドーピングでこれまでの全てを失ってしまうのです。

また、ドーピングによる副作用で、身体を壊してしまったり、最悪命を落としてしまうことだってあるかもしれません。

それでもドーピングに頼ってしまうのは、それだけ効果があるのでしょう。しかし、だからこそ競技の公平性を保つためには、絶対に認められるものではありません。

いま、ドーピング検査の対象になるレベルの選手は、いつどこで抜き打ち検査があっても検査員が行けるように365日24時間自分がどこにいるのか申請しないといけないのだそうです。一見厳しいようにも思えますが、そこまでしなければいけないのです。

ここまで厳しく検査をしていても、違反者が出てしまう、それによって競技の結果が変わってしまうというのは本当に悲しいことです。今後スポーツ界からドーピングがなくなることを切に願います。

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