「100日後に死ぬワニ」書籍化のその後~書店店頭備忘録~

コロナ騒動が長引いているおかげで半月前のことももうなんか「あぁそんなことあったね」レベルの話になってしまってる世相ではありますが、先月の今頃はTwitter上で「100日後に死ぬワニ」がいろいろあって、まぁいろいろありましたね。

このエントリーではいろいろの部分はとやかく言いません。あくまで書店員目線で、発売から2週間ほどたったこのタイミングでどんな具合なのかというのを備忘録として残しておきたいと思います。

このワニのお話は、投稿が続く中、個人的にはイマイチ共感できておらず、それでも盛り上がっているのはわかっていたので「書籍化はされるんだろうな」というスタンスで、仕入れ担当の目線で続報を待っているような状況でした。

きくちゆうき氏が関連ある出版社だと幻冬舎もしくはリイド社あたりから出るのかな、直近はリイド社さんで「SUPERどうぶつーズ」出してるからリイド社さんかな・・・探り入れてみようかな・・・

とか思ってたらあれですよ、

小学館ですよ。もうびっくりですよね。

繰り返しますがその後の諸々の尾ひれはひれな話はいたしません。

4月8日に単行本が発売になりました。初回の仕入れについてはかなり刷ると聞いてはいましたが黄色信号鳴りっぱなしだったので、新作1巻目の数字としてはかなり大きい数字ではあるものの、伝え聞いた初回の刷りから自社の市場占有率とかけた数字の半分くらいというかなり控えめな数字で発売日を迎えました。

この初回入荷の数、結論から言うと10日で溶けました。

小学館様申し訳ありませんでした!!!(土下座

ただ、幸いなことに取次の倉庫に潤沢な在庫があるおかげでそこから随時必要数を各店に送り続けているので店頭に在庫がないという状態は回避できています。

そういう具合で想定外に売れたものの、なんでかなと思うわけですが当初はこう考えていました。

・臨時休業している大型店やイオンをはじめとした大型商業施設に入っているお店で、買えない客が流れてきているのではないだろうか。

半分はこの答えであっているんじゃないかと思います。実際私の所属している会社の支店はこのあおりで客数が異常値レベルで増えている状況です。(平時であれば客数増は喜ぶべきところですが、この状況では三密の観点からも畏怖すべきレベルで喜べないところではあります)

これについては明確な検証は無理です。そこで今度はデータで見てみることにしました。誰が買ってるの?というわけで自社の客層分析シートを見ると以下の特徴が出てきました。

・購入者の男女比は3:7で女性が多かった。

・購入者の約半分が30~50代女性

ここで思い出すのは100日目を迎える直前にワイドショーなど各所で紹介されていたらしい(ワイドショーの時間当然ながら仕事してますから見れてませんので伝聞の範囲でしかわかりませんが)ということ。

これパブ効果ですかね。どうなんでしょう。ワイドショーで繰り返し取り上げられていたとしたら、言い方が悪かったら申し訳ないですが刷り込み効果的なものが影響しているのかもしれないと思ったり。2週間経過した今も日足では順調に売れ伸びているという判断をしています。普段は来ない客層もお越しになっているというのも聞いているので、いまの状況(緊急事態宣言がらみ)があと2週間は最低でも続くということを考えると販売数の進捗は維持傾向なのかなというのが、今の考えです。

お店によっても1日にごそっと売れたりしているところもあって動きが正直まったく読めません。もう匙投げたいレベル。なので先述の通り取次の倉庫には潤沢な在庫があるので実は毎日各店の在庫を見ながら必要な数を発注してます。こんなやり方はまずしません(全部でこれやってたら1日が48時間になっても足らんですよ)のでかなり特殊なお仕事になっています。

売れていることについては素直に喜ばしいところではあるので、数字については引き続き追っていくわけですが、同じゲッサンレーベルでツイバズ系漫画である「こぐまのケーキ屋さん」がある程度比較対象になるかなと思うのでそのあたりも時間が許せばチェックしてみたいなと思います。

以上、備忘録でした。


ところで話は変わりますが、私の今月のおすすめはこちらです。

これ読んで、いかゴリラ先生にもっと元気にしてもらおう!(一ツ橋グループだからいいよね←誰に確認してるのか

よかったら前作も!(回し者ではございません

萌特化書店(仮)で商品部バイヤーとしてコミックの施策担当を生業にせし書店員。リアルジョブは書店名を隠してますが同上コミックバイヤーです。コミックラノベ方面の話題に絡んだ話とかたまにします。