「返品が可能なため書店はこれまで本を販売する努力を怠ってきた」と仰る"大手出版社"様へ

どうも、怠け者と仰られた"書店"で勤めている者です。

私は特にAmazonの買切云々に関してはいずれそうなるだろうとは思ってましたし特に今更何か言う必要もないニュースだとは思ってたんですけどね。

この記事の発言が本当であるのならば、これはもう本当に我々怒っていかないといけないんじゃないかと思います。(ただ、ソースがソースなので100パーセント信じているわけではないのですが)

これを仰られた方は、書店をただの本棚か何かだとでも思ってらっしゃるんですかね。1冊の本を並べて、それを売れるようにするまでに、これまで各々の全国の書店で色々な試みもされてきましたし、売り方のセオリー、ノウハウも、先人からの試行錯誤の積み重ねで今があります。

本の売り上げが、実際問題下がってきている中で、今現在も現場の書店員の皆さん方の「この本を売りたい」という熱意もあって、そしてその努力を、書店に来てくださる読者の方がたが手に取ってくださって、なんとか、書店は成り立つことができています。

今の本をとりまく流通上の環境はこれまで以上に厳しくなってきていて、初刷りの規模感は当然ながら下がり傾向、そこに取次の配本ロジックがからむと末端の書店にいかないケースも出てくるし、散々っぱら言われている「発売から1週間が勝負」と呼ばれるなか発売日の配本無しからの追加の入荷が10日後とかがざらだったりとか、そういうちぐはぐなところがあっても、めげずに努力をしている、とおもっているのですが、あの仰られ様は一体どういうことなのか。

大体ね、「地元の作家さんだから今回は頑張らせてもらえないか」と言っても指定配本取ってくれない上いざ発売日に入荷1冊だったとある出版社なんて例もつい最近あったばっかりなんですけど、そんな本なんかブツが無えのにどう努力したらいいんだよ!!

あとパートワークス(分冊百科)の定期購読分も満足に刷ってこないところとかもこっちはむしろお客さんにちゃんと届けれる様にムッチャ努力してますけどね!

言い出すとキリがないですが、この発言がもし本当に「大手出版社」が言っているのであれば、我々はしっかりと声を上げる必要があると思います。

我々は、売る努力を怠ってなどいない!!



萌特化書店(仮)で商品部バイヤーとしてコミックの施策担当を生業にせし書店員。リアルジョブは書店名を隠してますが同上コミックバイヤーです。コミックラノベ方面の話題に絡んだ話とかたまにします。