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ぎくしゃくしたトーク番組


今日は、いつもと雰囲気が違うのである。画像の上の部分、ぐちゃぐちゃした文字はどうみても読めない。読めないこういうのをシャレオツと言うのだろうか。だとすると、シャレオツは無駄と表裏一体なのであろう。わたしにはわからない。どうしたのだ、ギク川さん。


*   *   *


こんにちはーっ!

ラジオの時間ですよ〜みなさん! ねっ!
はいっ!
ギク川霊の「ぎっくりしゃっくり昼下り」のお時間でございます!

わたくし、毎度毎度の元気印、ギク川霊でございます!

そしてこちらっ!

…はい。geekで、ご、ございます

今日は全角アルファベットですねっ!

ラジオで全角宣言、ですか

はいっ!
え〜さてっ…突然ですがgeekさん、山と川とどっちが好きですか?

えっ? いきなり、ですか

はいっ! 答えてくださいっ
チッチッチッチッ…

ええっ!?
そうですか。山と川… え〜〜っと、山は、印象的な山はありますけれど、ん〜・・・、思い入れのある好きな山っていうのはあまりないですね

そうなんですか?
チッチッチッチッ…

ええ、あんまり

富士山とか、どうですか!?
にっっぽんいちのっ! ぃやまっ!

どうしたんですか、今日は。…富士山、見飽きない美しさがね、ありますよね。好きっていうのとは、ん〜、ちょっと…違うところにいる気がしますけど。

お好きな山は、無いということで

ん〜、恵那山、安達太良山、妙義山、八ヶ岳、岩木山、開聞岳……これっていう決め手は、ないかなぁ

じゃあっ! 川はいかがですか、川っ!

ぐいぐい来ますね…
川はですね、あります。好きな川。

おおっ! ありましたか! ギク川とか!

…いえ。飛騨川ですね。

ギク川じゃないと!

飛騨川ですね。国道41号沿いにずっと並走するんですよ、飛騨川。この41号が好きで、何度も走りましたね。

これは、どのへんのお話ですか?

地図でいうと、このあたりですね


こくどう41

おお〜。このあたりですか。…と言いつつ、ママチャリストのギク川はですね、神奈川県から遠そうだぞ、ということ以外、わかってないんですが

ああ、ここはですね、岐阜県です。名古屋から北上していくんです。
下呂温泉から高山までって、信号が少ないんですよ。飛騨川の流れに沿って、山あいをずっと走り続けるんですね。車の流れに乗って、何も考えず、景色だけを見て、そのうちに自分と景色が仲良くなるような気がするんですよ

なんとなんと、景色と仲良くなると

そうなんですね。変な表現なんですけど。山が優しい気がするんですね。人に慣れてるというか、懐が深いような感じがして。そこに流れている川なので、すごく印象深いですね。とくにこのルートの後半、高山寄りの半分が、わたしの好きな飛騨川です。これから、桜がきれいに咲くんだと思います。ここから少し西の、淡墨桜とか、荘川桜もいいです。

桜の季節ですからねぇ…。ギク川もですね、自転車をキコキコしまして、お花見にでも…。っと、お話がまだ続きでしたねっ!

あ、はい。で、国道41号に戻りますとね、久々野というところを過ぎると、分水嶺を越えて、太平洋に注ぐ飛騨川から、日本海に注ぐ宮川にスイッチするんですよ。宮川は神通川になります。神通川沿いも好きなんですけどね。
・・・そうか、いろいろと思い返すと、このあたりの山はけっこう好きですね。特定の山っていうわけじゃなくて。

あら、山も川もお好きだと! なーるほど〜そうなんですね~。

あと、豆知識なんですけどね

なんでしょう?

国道41号は、ノーベル街道って呼ばれているんですよ。高山から富山にかけてですけど。
浜松ホトニクスからスーパーカミオカンデに光電子増倍管という機材が運ばれたことを考えると、国道41号の南側もノーベル街道って言ってもいいように思いますけどね

なんとっ! ここを通るとノーベル賞が取れると!!

あ、それはないですね。ないです。

・・・・・・。

あっ、いや、その、このあたり出身の方でノーベル賞を取られた方が多いぞ、ということで、ね、

はいっ! ちょっと黙ってみましたっ!

…えー。いじわるしないでくださいよ

いや〜、geekさんどうなるかな、と思いまして

ちょっとびっくりしました

ですよね〜。すみませんっ! はいっ!
お話に戻りましてですね、他に気になる川ってありますか?

ありますね

即答ですかっ

はい。川だと、妙に惹かれるのが天竜川ですね。人によって川から受ける印象は違うと思うんですけど。よそよそしいというか、わたしが慣れてないのもあるんでしょうけど。
なんだか、わたしとは仲良くしてくれなさそうだぞ、という感じがするんです。人によってはね、仲良くできるんじゃないでしょうか。なんだかそこに魅力があるんですね。

天竜川ですか。どれどれ…、あ〜、これって、静岡県?ですか? 昔は暴れ天竜って呼ばれてたみたいですけど?

そうみたいですね。それが治水によって静かな川面になると、なんだか愛想ないような感じがするんですが、妙な魅力があるんです

そうなんですね〜、どのあたりを走ってそう思われたんですか?

ここですね

こくどう152

小島烏水という明治の登山家がいまして、天竜川について書いたものがあるんですよ

どういう方なんですか?

いろんなことをした人みたいですけどね。横浜に縁があるようで、美術品の蒐集なんかもやってたらしく、展覧会もあったんですって。昔。それはいいとして、天竜川のこと、青空文庫にありますよ。

そうなんですか・・・。じゃあ、ギク川読んでみますね。

あ、このへんです

どれどれ。
「岸と岸との間は、おそらく十五メートルぐらゐな距離しかあるまいが、この並行線は、いつまでも一致しないで、喰ひ合はうとしては離れ、離れては又曲りくねつて、その間を玉虫のような、翡翠のやうな、青葡萄のやうな水が、すうい、すういと流れ」

意外と、読むの上手ですね

意外っ!

あ、お上手ですよ、ほんとうに。なんか昔っぽくて。いい文章ですよね。次、少し飛んで、この辺読んでみてください

ここからですねっ! え〜っと、なになに・・・
「水は湖沼のやうに、穏やかな、円かな夢でも見るか、ひつそりして、やんわりと大様な亀甲紋が、プリズムの断面を見るやうに、青硝子色をしてのんびりとひろがつてゐる」

ありがとうございます。いい読みっぷりでしたよ。旧仮名遣いっぽい感じで。

いえい! ブイサインですね!

なんだか、いい文章だな、と思った覚えがあります。これは天竜峡の描写なので、わたしが挙げたさっきのところの、もっと上流のこ場所なんですけどね。

あら、そうなんですね

いろいろ走っているうちに、県道1号っていうのも通りまして、文字通り天竜峡のあたりだったか、どうでしたかね。で、そこから離れて、人と関わりを持たない川の表情が見られるようなところも通るんですね、よく道路通したなっていうようなところ。

そんなところがあるんですね

ええ、あるんです。国道152号にしても、県道1号にしても、秘境めいた気分になるところがあって、この天竜川沿いっていうのは、いつ走っても不思議な気分になる道でした。この県道1号って、快走路の部分もありますが、よく走る人以外には、ちょっとオススメしないですね。よっぽど「ただ走る」のが好きじゃないと退屈ですし、行かないと思います。わたしみたいに、ただ走って1日に700キロも800キロも積み上がるような人なら、オススメしても大丈夫かな。区間によっては、オフロードではないですけど、そういうテイストも少しありますね。

そうでしたか〜。なんだか、ちょっと川下り気分ですね。小島烏水さんのおかげでしょうか。

・・・あと、閉伊川(へいがわ)は印象深いです。ここも何も考えずに走れるところで。

へいがわ

今度は、これは・・・どこですか?

岩手県です。

・・・えっと、さっきは、てんりゅうがわ? でしたか?

はい。あれは静岡県ですね。閉伊川は岩手県です。ほんとに訪れる場所ごとに、川も山も表情が違っていて、それぞれに思い入れがありますね。閉伊川は訪れたときが夏だったので、爽やかな印象がありましたが、今行くとどう思うでしょう。印象は変わるかもしれませんね。

岩手県って、東北?でしたか

そうそう。わんこそばとか、小岩井牧場とか、中尊寺とか、マニアックなところだと松尾鉱山跡なんかもあって、どこを訪れても新しい発見があるところだと思います。広いですしね。

は〜、いろんなところがあるものですねぇ

最後、あとひとつだけ

geekさん、まだあるとっ!

国道168号から国道311号、熊野川。これは河川敷がやたらに広くて、不思議な感じですよ。すごい量の水が流れないと、こうはならないと思うんですけど

くまの

えーっと・・・、こんどはどこですか?

ぎりぎり和歌山県ですかね。下流のところは、川より向こうが三重県ですね。熊野は、神話の時代から話が残っていますから、いろんなものを調べたり読んだりしてみると、また面白いでしょうね。

あのですね、geekさん

はい?

ママチャリスト・ギク川は、もはや日本中を旅してる感じがします

え? そうですか?
日帰り範囲の外側にあった西日本はあんまり知らないので、わたしの中でメジャーどころばかりなんですよね。

日帰りエリアだとっ!

あ、流石に岩手県や和歌山県は、外れてますね〜。ははっ

はいっ! えー、そういうことでですね、唐突に伺いましたのはですね、「山と川とどっちが好きか!?」っていうご質問が、来てたんですよ

へ〜。そうだったんですね。

はい

どなたからでしょう

あの方ですよ! ピースくん!

おおっ! なるほど

そこってなるほどなんですか!?

なんか、そうなのかなって

ということで、今回は唐突にお送りしてみました、ぎっくりしゃっくり昼下がり、いかがでしたでしょうか。イントロのギク川トークをすっ飛ばしましてですね、いきなり本題に入るという感じになりましたがっ!

新鮮でしたけどね

はいっ! ありがとうございます!

イントロのトーク、聞きたい人もいるんじゃないんですか?

どーぉなんでしょう、ギク川は時間があればですね、しゃべっちゃいますから、いつでもオッケーばっちこーい! ですよ、はいっ!

元気がいちばんですね、あと、朗読はなかなかサマになってましたよ

あ〜りがとうございますっ!

はいっ! 元気が一番っ! ということで、今回はこの辺でお別れの時間です〜
また次回の放送をお楽しみにーっ!
ぎっくりしゃっくり昼下がり、お相手はこちらっ!

あっ! はい。geekと

ギク川霊でしたっ!
またお会いしましょーっ!

バイバーイ!


ヾ(*´∀`*)ノ