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干しいも部は、活動中です。

七田苗子さんから、
こういう貴重なものをいただきました。
それも2種類!

ほんとうにありがとうございました。


①焼き干しいも

焼き!?

焼き干しいも。

見ました?

焼き干しいも


完成品ですら、ねっとり柔らかくて崩れそう。
これはすごい。
「干したの!?」と聞きたくなるような飴色。
香りがもう甘い。蜜を彷彿とさせる。
紅はるかとのことだけれども、我が目を疑った。

糖が水を抱き込んで、蒸発しきれなかったものと思われる。干す手前の段階、どういう状態なのかちょっと想像できない。貯蔵によって糖化を進め、その上で加熱による糖化促進を行う、というステップを踏むのはよいとして、その程度が尋常じゃない。干すときに型崩れしないのだろうか、どういうところで「干す」のだろうか、どこまでいけば「干し上がり」と見極めるのだろうか…、謎だらけです。

そして
食べたときの感想を言いますよ。

これ、いもなの? さつまいもなの?
羊羹じゃなくて??

これは家では作れない。
完敗です。
世の中は広くて深い。

衝撃の品質です。

よい土、よい芋じゃなければ、このような品質のものは作れないと思います。驚きの「焼き干しいも」。見つけたら、素通りは出来ない。デヴィ夫人ならきっと、畑ごと買っちゃうぞ!



②ほしあかね

ほしあかね!?


聞いたことありますか?
ほしあかね。

わたしは知りませんでした。聞くところによると、干しいも専用の新しい品種とのことです。


(以下抜粋)

新品種「ほしあかね」の特徴

  • カロテンとアントシアニンを含有し比較的病虫害抵抗性が優れる「関東136号」を母、でん粉糊化開始温度がやや低く、干しいも品質が優れる「ほしキラリ」を父とする交配組合せから選抜した品種です。

  • いもの裂開および形状の乱れが少なく、表面の凹凸も少ないため、加工作業が容易です。カロテンを含有するため製品がオレンジ色を帯びた良好な仕上がりとなります(写真34)。

  • 干しいも加工適性が優れ、シロタの発生が僅かで、食味・品質が優れます(図3)。

  • 「ほしあかね」は、「ヒタチレッド」や、「べにはるか」より多収性を示します(表2)。
    なお、立枯病にやや弱いので、発生ほ場では注意が必要です。

品種の名前の由来

  • 「ほしあかね」は、干しいも用であり、製品の外観がオレンジ色(あかね)を帯びることから命名されました。

今後の予定・期待

  • 「ほしあかね」は、干しいも加工用でオレンジ肉色の「ヒタチレッド」と置き換わることにより、オレンジ色系の干しいもの生産拡大が見込まれ、加工用サツマイモの生産振興に貢献すると期待されます。
    2021年春から、民間の種苗会社等を通じて苗が供給される予定です。

(抜粋ここまで)



いま、2022年ですよね。2021年から苗が供給される、ということは、文字どおり商品化の初年度じゃないですか?

これ、めちゃめちゃ貴重じゃん!

これまで、カロテンやアントシアニンを含んだいもを用いた干しいももあったが、それらはいわゆる「ほくほく系」であり、この点で紅はるかとは明らかに一線を画し、どちらかというと昔ながらの味わいに、色素のテイストが乗る、という感じで、甘さもかなり控えめであった。

しかし、この「ほしあかね」は、隼人芋のようなオレンジ色の外観をしていながら、硬さは紅はるか同等の、いわゆる「ねっとり系」に属するもの。テクスチャは、まさにねっとり系。それに上品な甘さとカロテンのテイストがある。この品質は明らかに高い。消費者の選択肢を増やすのに大いに期待される味だと感じた。
ほしあかねの親品種であるほしキラリも新しい品種ではあるけれど、それが親となる品種がもう流通し始めるとは、干しいも業界は品種開発が活発な分野なのだろうか。


論文から情報を得ただけでも、一朝一夕ではこのような改良には至らないことは理解できる。本当に次世代の品種を育てようと思うと、何年もの期間が必要で、時間をかければ必ず良い品種ができるとも限らない。

そのなかで高品質な新しい品種を世に出すのが研究開発だし、それが「ものづくり」でもあると思う。ものづくりは頭を使うし、自然の道理はごまかせない。人の都合ではどうにもならない厳しさもある。そこを突破した品種なんだ、と思うと「ようこそ、よく来たね」という気にもなる。


今回の2つの干しいもは、
七田苗子さんのご厚意によりいただいたものになります。

改めてお礼申し上げます。
ありがとうございました。



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