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劇場版「奥様は、取り扱い注意」のラストが好き

対等な関係が好きだ。
それから、今となってはメジャーなものになりつつある”強い女”の描写。最高。

元特殊工作員の妻と公安警察の夫のアクション・ラブストーリー「奥様は、取り扱い注意」の劇場版が各種配信サイトで配信開始されたので観ました。

綾瀬はるかと西島秀俊が元特殊工作員と公安エリートの夫婦を演じた人気ドラマの劇場版。特殊工作員だった過去を持つ専業主婦の伊佐山菜美と、現役の公安警察であることを隠しながら菜美を監視するやさしい夫・伊佐山勇輝。半年前、ある出来事により菜美は記憶喪失になってしまい、2人は桜井久実と裕司に名前を変えて、小さな地方都市で新しい生活を始めていた。2人が新生活を送る珠海市では、新エネルギー源「メタンハイドレード」の発掘をめぐり、開発反対派と推進派の争いが激化していた。そんな中、新エネルギー源開発の裏でロシアと結託した国家レベルの陰謀が潜んでいる事実を公安が突き止める。勇輝が公安の協力者になるか特殊工作員だった妻を殺すかの選択を迫られる中、菜美は大きな事件へと巻き込まれていく。
(映画.com解説より)

以前日テレでやっていたドラマの続編です。以下ネタバレあり。

あらすじにある通り、妻の菜美が事件に巻き込まれ記憶喪失になり自分が何者なのかわからない状態から話が始まります。それにつけ込んで(つけ込んで?)名前を変え、小さな地方都市での潜入捜査を始めることに。

ドラマの時は愛がありながらも敵対し殺伐としていた夫婦でしたが、記憶を失ったせいで考えられないほど穏やかな生活を送るふたり。菜美からは「いつかはカフェを開きたい」なんて発言も。そのためにカフェでバイトを始める菜美だったが、ある日メタンハイドレードをめぐる諍いの中で記憶を取り戻します。
彼女はしばらく記憶が戻ったことを周りに隠しますが、メタンハイドレードをめぐる事件が進む中で夫のピンチに駆けつけ、記憶が戻ったことが発覚し、平穏な生活が終わりを告げる。

アクションシーンもこの映画の見どころですが、「記憶を失ってた私の方が可愛いと思ってたでしょ」「……まあ、少し」(銃声)(セリフはうろ覚えです)みたいな夫婦で口喧嘩をしながら敵と戦うっていうのがすごい良い。

力を合わせて戦った二人ですが、元特殊工作員と公安警察ということで「公安の協力者にならないならここで殺せ」と夫の勇輝に上司から司令が下る。

「協力者じゃなくてあなたの妻になりたかった」菜美は銃を勇輝に渡す。勇輝は菜美を撃ち、菜美は海へと落ちていく……。

ラストシーン、どこか異国の地の海辺のカフェにいる菜美。隣に勇輝はいない。

伏線がわかりやすくて彼女が銃で撃たれた時の焦りはなかったけれど(この伏線からの銃で撃つシーンはぜひ本編を見て欲しい)、まさかラストがあんな感じで終わるとは思わなくてめちゃくちゃ泣いてしまった。物語中盤の台詞にもあった通り、カフェでも開いてふたりは永遠に幸せに暮らしましたとさ的な終わり方になるのかなと思ってた。舐めてた。

いやそんなにうまくはいかないでしょと言いたくなるハッピーエンドじゃなくて、すごく現実的で、悲しくて、でもそれぞれがちゃんと納得して選択した終わり方だった。
あの終わり方って、ふたりが対等な関係じゃなかったらできなかったと思うんだよね。各々が自分の足で立っていて、そしてお互いに心の底で信頼し合っていた、というのが最高でした。


最高に好きでめちゃくちゃ引きずってる。また続編あったら観たいな……。




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