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AI・新規事業コンサル業を営みながら、時々思索。 合理的な効率追求業務をしつつ、根はセ…

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AI・新規事業コンサル業を営みながら、時々思索。 合理的な効率追求業務をしつつ、根はセレンディピティ的Something Happenを好む。

最近の記事

ハイデガーと予測AI

「誰にもわかるハイデガー」(筒井康隆) 「存在と時間」、もっとも恐ろしげな哲学書にして、人の良心・倫理の極北を示す書 このわかりにくい哲学のもっともわかりやすい解説書に出会いました。 「文学部唯野教授」が'90年に行った講演録です。 Bravo!筒井康隆氏。また今回解説をつけた大澤真幸氏もBravo! 哲学にはユーモアをもって近づくべきと思わせる本です。 「死への先駆」と良心 巨大なハイデガー哲学のうち、ここで取り上げたいのは、良心への意志(倫理・気遣いの極大化)が

    • 現AIは価値を凍結する

      AIが人の仕事を奪う、という話は、技術面、経済面、そして生活面でも長く議論されてきています。しかし見過ごされていることがあるように思います。それは人類の発展の側面です。 AIの得意技 現在のAIは主に効率化・自動化で適用が進み、職人芸まで含めて人の業務を置き換えつつあります。しかし現状それはあくまで、今までの価値観のもとでの作業の置き換えに過ぎません。 労働移動 人は空いた時間をより高次の意思決定や新たな領域の創造に使うのだ、とはよく言われます。歴史を振り返れば確かに

      • ヒューマニティ志向AI

        唐突ですが、 ヒューマニティとは何か?を考えたいと思います。 「人間らしさとは何か」なぜ脳には、空想上の経験を楽しめるような報酬システムがあるのか?あるいはなぜ雨の降る午後に、自動車の修理マニュアルよりミステリー小説を読みたいと思うのか? (『 人間らしさとはなにか?―人間のユニークさを明かす科学の最前線』マイケル・S・ガザニガ *1) 脳の進化の特徴や必然を最新科学で語る素晴らしい書物の中で一見、進化に意味の無さそうな芸術本能について語るくだりです。 人の脳は世界の異

        • セレンディピティとAI

          “セレンディピティ”は「偶然の幸運な出会い」という意味合いで使われることが多いようです。 しかし同じ偶然の出会いでも、大半の人はその価値に気づかず見過ごしてしまいます。一方、セレンディピティが世紀の大発見につながる例もよく聞きます。(ニュートンの万有引力、フレミングのペニシリン、クリックワトソンのDNA二重らせんモデル、など多数) 「見過ごし」か「発見」か、その二つを分かつ違いこそが重要で、それは「差異や違和感を感知する力」、「その力を準備するだけの長く深いこだわりや思考

        ハイデガーと予測AI

          そこそこ神秘性があったほうがいい

          AIの説明性(XAI: Explainable AI)の研究開発が花盛りとなっています。ディープラーニングにおいても説明を付けられるようにしようとする。それはもちろんたいへん結構なことで、今後ますます研究が進むでしょう。 ※欧州のGDPRやG20 でのAI原則、日本では総務省のAI利活用ガイドラインなどの影響もあり、ブラックボックスの典型であるディープラーニングにおいても透明性を高める技術が一大トピックになりました。 しかしそれはあくまでAIによる意思決定、あるいはAIの

          そこそこ神秘性があったほうがいい

          AIと一輪のバラ

          2020年を迎えました。昨年はAIによる画像・音声の認識・生成技術、自然言語処理技術、そして行動予測技術が花開く一方で、ひところのAIブームは沈静化し、ポッと出AIベンチャーが淘汰された年といわれます。 AIの進化と人かように今後も多少の浮き沈みはあれど、AIの事業適用が加速することは間違いありません。社会変化の短期予測は難しいけれど、長期予測は立てやすい時代に思えます。 ハードウェアの進化も華々しく、去る2019年10月にGoogleが世界最速のスパコンで1万年かかる計算

          AIと一輪のバラ