見出し画像

短歌交換日記「水沼・桜庭・春木」005

前々回の春木滉平さんの回で、春木さんから『現代短歌』5月号の原稿料で何を買いましたか?と質問を頂いたので、まずその回答から。
 
(春木さんの回↓)
https://kmetpd.hatenablog.com/entry/2024/04/03/232206
 
初めての短歌での原稿料ということでもったいなく思う気持ちもあり、しばらく引き出しにしまっていたのですが、春木さんの質問を受けて使おう!と決心。
本を購入することは決めていたので、地元のちょっと大きめの本屋さんに行きました。
買ったのはこの二冊です↓
 


『向田邦子ベスト・エッセイ』(向田邦子著・向田和子編)と『センスの哲学』(千葉雅也著)です。
『向田邦子ベスト・エッセイ』は、エッセイの書き方の勉強のために買いました。先月地方のエッセイの公募に応募したのですが、送った後にエッセイを書くのがうまくなりたい……と反省して。
向田邦子さんのエッセイは学生時代の教科書で「字のないはがき」を読んだだけなので、ゆっくり読むのが楽しみです。
『センスの哲学』は、千葉雅也さんのXのポストが元々好きで、『ツイッター哲学』を読んで面白かったので。
装画・装丁がかっこよくて好きです。
水沼さんも購入されていましたよね。
本当は吉本ばななさんの『ミトンとふびん』の文庫版も欲しかったのですが在庫切れで、代わりに家族に『POPEYE』の5月号を買ってあげました。
 
あと春木さんに紹介する手紙系の小説や往復書簡……と考えてみたのですがあまりその形式の本を読んだことがなくて。
でも手紙が出てくる小説ということで、もう読まれているかもしれませんが『キッチン』(吉本ばなな著)を推します。
この本の中に入っている「満月−キッチン2」というお話の中に、ストーカーに殺されたえり子さんが自分の息子と主人公の女性に宛てた手紙(というか遺言書のようなもの)が出てきて、その内容が悲愴でなくかっこいいのです。
『キッチン』は多分私が一番好きな本で、小説の本は定期的に整理してしまうのですが、この本は何回も文庫で買い直して読んでいます。
 
そして、交換日記に関する思い出を自分も振り返ってみました。
多分小学生の時に仲良しグループでやっていた記憶があります。
女の子数人で。
でもあっという間に途切れてしまったし誰のところで止まったのかもわかりません。
もしもずっと大人になるまで続いていたら、壮大な物語が交換日記の中に生まれていたよなあ、と思って、でもほとんどの交換日記は短く終わってしまうので、すごくもったいない気がする。
でも消えていった短い物語こそ尊い気もする。
あの時終わってしまった交換日記、もし誰かの家で見つかったら読んでみたいなと思います。
 
それから今日もうひとつ書こうと思っていたのは、以前水沼さんと春木さんと3人でDiscordでお話した時に、私が「自分の家族詠は半分くらいがフィクション」と言ったことについてです。
後からアンソロジーを読み直してみるとフィクションは1/4くらいだったので大袈裟に言ってしまっていました……。
その1/4のフィクションの歌も、書いてある具体的な事柄はフィクションだけれど、乗せてある心情は事実なので、広義ではノンフィクションだなと思います。
かと言って完全にフィクションの歌を否定しているわけではないです。
真実を伝えられていなかったなと気になっていて、ここに書きました。
 
最後に、私もお二人に質問をしていいですか?
大好きでこれまで何回も読み返している本はありますか(ジャンルは問いません)。
差し支えなければ教えてください。
私は上記の『キッチン』に加え、東直子さん・服部真里子さん・大森静佳さんの歌集をぐるぐる何度も読んでいます。
差し支えがある、という方は今ハマっている食べ物を教えてください。
ではでは。
 
便箋にすこし香水ふる時の祈りのような呪いのような/桜庭紀子
 
前回の水沼さんの交換日記はこちら↓
https://sizu.me/mizunuman/posts/huf4e23hbk5o
 

いただいたサポートは、歌集や詩集を買って勉強することに使わせていただきます。