コラム① 教養区分について
皆さんは国家公務員総合職試験に”教養区分”という区分があるのをご存じでしょうか。
教養区分とは、国家公務員総合職試験のうち秋に実施される区分で、大学3回生から受験することができる上、春区分(法律や政治国際、経済など)と併願することができます。
倍率は1次試験が10倍ほどで2次試験が2倍ほどなので最終合格には20倍を突破する必要がありますが、もしあなたが官僚を本気で目指しているのであればぜひ受験することをおすすめします。
詳細はこちらをご覧ください。
簡単に試験内容を説明すると、朝早くに会場に集合した後、いきなり4時間かけて総合論文試験が行われます。こちらはⅠとⅡからなり、どちらも資料を渡されてそれぞれ2000字ほどの論文を執筆することになります。違いがあるとすれば、Ⅱの方が若干自由にかけることでしょうか。
論文の書き方には少しテクニックが必要になるので、また機会があれば別で詳しく解説しようと思います。
総合論文試験が済むと、次は基礎能力試験が行われます。こちらもかなりの長丁場になるので覚悟しておいた方がいいです。また、専門試験がない代わりに人文・自然・社会科学でカバーしなければならない問題が春区分よりも段違いに多いので、まんべんなく出来るようにしておきましょう。高校時代にセンター試験で7科目受験していた方は少しだけ有利かもしれません。7科目とかいう次元じゃないですけど。
これでやっと1次試験が終わります。しかし、上で述べた総合論文試験、実は1次を突破しないと全く無意味な時間を過ごしたことになります。なぜなら、1次の結果は基礎能力試験のみで判断されるからです。
10倍の壁を乗り越えたところに待ち受けているのが2次試験です。今年は去年までと形式が異なるようですので参考程度に読んでもらえればと思います。
まず、2次試験本番の前にやらなければならないことがあります。それは企画提案試験の準備です。事前に人事院からふんわりと資料を提示されるので、それをもとにプレゼンテーションの準備を1ヶ月ほどかけてしていきます。ちなみに私の年は「国土強靭化」だったのですが、地震とヤマを張っていったらふたを開けてみると水害だったので大コケしました。
さて、話を2次試験に戻すと、1日目は会場に到着するとまず企画提案試験でもちいる簡単なペーパーを作成することになります。去年までは小論文形式でしたが、今年はプレゼンテーションシートらしいのでそれを書かされるのでしょう。
移動などは省略して・・・時間になると呼ばれるので、試験室に入室し2人の係官の前で政策プレゼンをします。最初にざっくり説明をした後に質疑応答でボコボコにされる感じの流れになります。予想していたよりもしっかり質疑で刺してくる上に時間も長いので、マジでガッツリ準備していくのをおすすめします。
翌日は政策討議試験と人物試験(面接)です。
政策討議試験は所謂ディベートで、はじめに与えられたお題について自分の考えを簡単にレジュメとしてA4紙(白紙)にまとめます。別室に移動したところで班全員分(5~6人)のレジュメが冊子になったものを渡されるので、これを使って議論していくことになります。
はじめに1分ほど班のメンバーに自分の意見を発表する時間が設けられるので、簡潔に話せるように考えをまとめておきましょう。全員話しおわったところで、係官から「自由に議論してください」等の前置きがあり、試験が始まります。
ちなみに、討議中はお互いを予め割り振られた番号で呼び合うことになります。
政策討議試験の次は面接です。まぁ人事院面接なのでそこまで難しいことも聞かれません。面接カードに書いた内容を軸にしっかり準備していけばBぐらいはもらえると思います。
以上すべてが済んだところで、試験が終了となります。
倍率の高い試験ですが早い時期に受験できるのはメリットしかないですし、合格できなかったとしても本番の空気を体験することができるので、受けておいて損はないと思います。
また、ここで合格しておくと民間の就職活動が本格化する前に最終合格資格を持っておくことができるので、そちらにリソースを割けるようになります。民公併願の観点から見ても非常に魅力的な試験であると言えるでしょう。
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