【チラシ】知事や市長が進めている卸売市場条例の改悪にNO!

 「卸売市場制度を守ろう!都民連絡会」が作成したチラシの裏面の細かい文字の文字起こしです。


【 チラシ画像 】

 下記URLからご覧下さい。

https://note.mu/zcren/n/n71bc09e33bbd


【 チラシのPDF 】
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【 チラシの表面 】

知事や市長が進めている卸売市場条例の改悪にNO!

現在の卸売市場のしくみ
 生産者が生産した商品が卸売市場に持ち込まれ、大卸が商品を購入し、大卸が仲卸に商品を売却し、仲卸が小売店や飲食店に商品を売却し、小売店や飲食店が消費者に商品を売却する。
 仲卸が「品質チェック」を行い、適正価格で流通する。

 ところが、

卸売市場条例が変わると
 大企業・外資が卸売市場を独占することにより、
 生産者は商品を安く買い叩かれ、大卸は大企業・外資と直接契約して下請け化し、仲卸は廃業に追い込まれ、大企業・外資は小売店や飲食店に商品を高く売りつけ、小売店や飲食店は良い品物が安く買えなくなった・・・
 そして、消費者も良い品物が安く買えなくなる。

民営化という名の改悪により仲卸は廃業に追い込まれ新規参入の大企業や外資が大もうけ!

< 卸売市場制度を守ろう!都民連絡会 >
(2019年9月作成)


【 チラシの裏面 】

Q 「卸売市場条例の改定」ってなんのこと? 何がどう変わるの?
A 地方自治体が開設している中央卸売市場の現状の売買取引ルールがほぼ全部変わり、大手資本の算入と独占が可能になります。

国の「卸売市場法」の改定に合わせて地方自治体の「卸売市場条例」が不要に改定されると、大手資本の流通業者が独占的に生鮮食料品を取り扱うことが可能になって、小売業者や飲食店が大手流通業者が決めた価格で仕入れざるを得なくなる仕組みに変わります(*1)。公平・公正な価格形成を目的とした現状の卸売市場の取引ルールは廃止され、利益を最優先する大手資本による価格決定権の独占が起こります。

(*1)2000年6月の「大店法」(大規模小売店舗法)の改定(実質廃止)で店舗面積などの規模による規制が撤廃され、大規模店舗が進出しやすくなり、全国で商店街のシャッター通り化が加速してしまいました。それと同様に、「卸売市場条例」の改定で取引のルールが大手流通業者に圧倒的に有利なものになると、公平・公正な価格形成に寄与している仲卸が廃業に追い込まれ、大手資本や外資による生鮮食料品の流通の独占が可能になります。


Q 卸売市場の売買取引ルールって、そもそもどんなものなの?
A 卸売市場制度を支えている「売買取引ルール」は各地方自治体によって定められています。それが「卸売市場条例」です。

卸売市場では「生産者→大卸(荷受)」と「仲卸→小売(消費者)」の存在が公平・公正な価格を形成する機能を発揮して、なるべく高く売りたい生産者側(供給)となるべく安く買いたい消費者側(需要)の相互のバランスが品質重視で保たれてきました(*2)。2018年6月、「卸売市場法」が規制緩和の目的で改定され(2020年6月に施行)、条文が約8割も削られ大きく空洞化しました。しかし、もともと地域自治の精神で運営されているのが卸売市場ですから、国は地方の個別の取引ルールである「卸売市場条例」にまで手をつけることができません。2018年に廃止された国の「種子法」(主要農作物種子法)でさえ、全国の道県で「種子条例」として続々復活しています。考え方は同じで、条例を変えずに従来の卸売市場の売買取引ルールを維持することは可能です。

(*2)卸売市場制度を支えている売買ルールの基本にあるのは、生産者から荷を委託された「大卸」は「仲卸」以外には売れないというものです(これまで多少の規制緩和はありましたが、基本は変わっていません)。仲卸は商店街の小売店や飲食店の仕入れには欠かせない存在です。大卸に比べて数の多い仲卸は業者間で競争を行っていますから、結果的により良い品がより安く提供されることになります。つまり卸売市場という公共の場で、需要と供給のバランスで瞬時に値が決まり、誰かが独占的に価格をコントロールできない仕組みになっています。条例の改定は規制緩和や民営化の名の下に、卸売市場システムの要である仲卸を廃業に追い込み、大資本の流通業者による生鮮食料品の売買取引の独占を可能にしてしまいます。


Q なぜ今、卸売市場制度を変えようとしているの?
A 食料流通の独占により価格の決定権を握ろうとしている大手資本や、貿易自由化によって算入を目論む多国籍企業の要望に応えようとする国の意思があるからです。

1918年(大正7年)の米騒動は、主要食料である米が米問屋や商社、相場師による投機の対象になっていた(実際には米だけでなく食料品全般)から起こったものです。卸売市場制度はその反省の上に制定されたもので、大手資本による流通市場の独占から消費者や生産者とその地域経済を守ってきました。市民生活に密着したこれほど大切な制度の改定を、当事者である消費者や生産者への説明も同意もなしに進めて良いわけがありません。


Q そんな重大な問題が、どうしてテレビや新聞で話題になっていないの?
A 多くの地方自治体が反対の声が上がる前に議会に見直し案を提出して、さっさと決めてしまおうと考えているようです。

国の卸売市場法が改定されたので、それに合わせて地方自治体の条例も自動的に改定されなくてはいけないかのように市場の解説者である地方自治体がミスリードしています。卸売市場の取引のルールを定めるのは市場開設者であるそれぞれの自治体ですので、国の法律が変わっても公平・公正な価格形成システムを維持するために現行のルールを温存することは可能です。ところが、肝心の生産者も買出し人(仲卸から仕入れる小売店や飲食店)も消費者もその説明をまったく受けていないまま、条例の見直し案が議会に提出されるという事態が全国で起こっています。つまり知事や市長がその義務を果さず関係者への説明を怠っているので、十分な聴き取りになっていないだけです。大卸や仲卸の事業者に対しても「業界代表」対象の説明会しか開かれていません(*3)。卸売市場制度破壊の重大さを知られない内にこっそり進めようとしています。全国の卸売市場条例見直し案の議会への提出はすでに始まっていて、早ければ2019年度内に成立してしまいます。

(*3)農林水産省は平成30年同省告示「卸売市場に関する基本方針」の中で、この点について、大卸や仲卸ばかりではなく「出荷者や売買参加者を始めとする取引参加者に偏りなく十分に聴き」としていますが、東京都の場合、実際にはその義務を十分に果たしているとはとても言えない状況です。


Q 私たちに何ができるの?
A 「卸売市場制度を守ろう!都民連絡会」では、条例見直し案を審議する都議会宛ての、改定反対の陳情書や請願書への署名を集めています。
他の地方自治体でも、東京都と同様に署名を集めて改定反対の陳情書や請願書を提出することが可能です。
また、市場開設者や地域の中央卸売市場宛てに「卸売市場条例見直し案」についての説明会を開くよう要望しましょう。

上記の陳情書、請願書及び説明会開催要望書がダウンロードできます。提出先・提出方法についても「卸売市場制度を守ろう!都民連絡会」のホームページ: https://note.mu/zcren でご確認下さい。

1918年 米騒動
1923年 中央卸売市場法の制定
    ・ 1927年の京都市を始め、各地に中央卸売市場(公設市場)が開設
1971年 卸売市場法の施行(中央卸売市場法の廃止)
1974年 大店法(大規模小売店舗法)の施行
    ・ 中小の小売店の保護を目的に、大型店の出店を規制
    ・ 売場面積1500㎡(政令指定都市は3000㎡)以上の店舗が届出制に
1992年 大店法の改定
    ・ 大型店の出店の自由化
1999年 卸売市場法の改定
    ・ 「せり入札原則」の一部廃止など
2000年 大規模小売店舗立地法の施行(大店法の実質廃止)
    ・ 郊外への大型店の出店ラッシュ
     → 商店街のシャッター通り化、交通弱者が買い物難民に
2004年 卸売市場法の改定
    ・ 「委託集荷原則」の廃止
     → 市場外取引の増加
2018年 卸売市場法の改定(2020年6月施行)

そして、2019年12月に、東京都議会で卸売市場条例の見直し案が審議・採決される可能性が・・・

食・いのち・暮らし そして 卸売市場
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