New School of Syracuse
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New School of Syracuse

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2019年4月、たった2日間だけだったが、New Schoolで過ごした時間はこの先きっと忘れることのない、そしてこれから教育を実践していく上で「立ち戻る場所」ができた、とても貴重な体験となった。
しかし、これが一番大事なポイントなのだけど、何か「スペシャル」なものに出会ったという感覚はあまりなくて、響きは良くないけれどNew Schoolは「なんちゃない」学校だったのだ。当たり前なことが当たり前に行われている、「普通」の学校、赤木先生の口からぽろっと出てきたフレーズでいうと、「キラキラしていない」学校だ。

けれど、そこに僕自身は自分の進めていた学校作りにも、そして教育そのものにとても希望を感じたし、その頃色々な「教育系」ワークショップに顔を出したり「良い教育とは〜系」の本を読んでは、もしかして途方も無いことに手を出してしまったのでは…と思いかけていた時に、「これだったらできそうだし、これをやりたいんだ」という勇気をもらえた。

そして今ではこの「これだったらできそう」こそが、新しい教育の実践に欠かせないものだと考えている。

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New Schoolとの出会い、撮影をするまで

New Schoolのとの出会いは、その前の年に参加していた、風越コラボという新しい教育を考える(?)ワークショップのゲスト、赤木先生の、『アメリカの学校に入ってみた:貧困地区の公立学校から超インクルーシブ教育まで(ひとなる書房)』という本。

実は子どもが産まれてから、入れたい学校がないなーと思い、なければ自分たちで作ろうと学校作りのプロジェクトを始めていたのだが、今まで教育のことなんてほとんど考えていなかったし、「新しい学校」像がいまいちイメージできずにいた。そんな時に赤木先生の本でNew Schoolのことを知り、「これだー!」と直観的に感じ、とてもワクワクしたのを今でも覚えている。探していたものにやっと出会えた、という感覚だった。

その後すぐに赤木先生に連絡をして、出張に来られるタイミングで東京駅のカフェで時間を頂き、映像化を相談した。(ちなみにその頃赤木先生はコイツ本当に大丈夫かな、と思ってたそうです笑)New School側も問題ないよと快諾頂いて、せっかくなので赤木先生も同行できるタイミングということで翌年の春休みを利用して撮影をすることになった。

日本から16時間、NYCで乗り継ぎさらに1時間。シラキュースの街は全米一の豪雪都市らしく、4月でも雪の日があると聞いていたが、滞在した3日間は奇跡的に晴れて暖かかった。初日は別便で入っていた赤木先生と落ち合い、軽く食事を済ませて打ち合わせをして、翌日に備えてお休み。そしていよいよNew Schoolでの撮影が始まった。

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New Schoolは「普通」の学校

始めにも書いた通り2日間を過ごしてみた感想は、New Schoolは「普通の学校」だという事。

少し補足すると、「これが普通であって欲しい、の『普通』」の学校。
2020年夏現在、私たちはCovid-19の影響によって、生活の仕方そのものを考え直した「ニューノーマル」、「新しい普通」の実現が必要とされいるが、同じように(Covidは関係なく)学校のあり方にも新しい普通が必要だと思っている、の「普通」だ。

ここでは、子どもが必要以上に子ども扱いされることなく、それぞれが違う人間として尊重されていて、学校というコミュニティを子どもと大人(主に先生達)が一緒に作り上げていくという意識が全体でしっかり共有されているように感じた。全てが大人達によって決められているのではなく、子どもたちには意見を持ち、そして選択する権利があった(形ばかりの権利があるだけでなく、実際に行動も伴っていた)。カリキュラムの内容はもちろん、どう学ぶか、どの教材を使うか、どれくらいの速度で学ぶか、(学校内の)どこで学ぶか、何を学ぶか、など、子どもたちが(おそらく先生方と一緒に考え)自分に合った形に学びをカスタマイズできるようになっていた。
(ちなみにこの時いた19人の子ども達の中には、日本なら特別支援学級に入っているであろう子どもが数名いる、と聞かされていた。が、2日間じっくり見ていてもほぼわからない。「皆違う」が当たり前になるというのはこういう事なんだ、と思った)

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もう一つ印象に残っているのは、特にペアワークやグループワークの組み方と、そのワークの内容がとても上手に(おそらく緻密に)デザインされていた事だ。先生方が19人の子ども達全員の好きな事と嫌いな事、得意な事と苦手な人事、興味ある事や、課題となっている事、そして物事に対してのリアクションの仕方など、かなり深いレベルで子ども達の事を把握しているのだと思う。個別、ペア、グループと一日の中でも流動的に変わっていく”時間割”を毎週作るには、子どもたちの事をきちんと理解している事が欠かせないだろう。
そこにいる子どもたちのスペシャリストとして、保護者と一緒に子どもを育んでいくという意思が感じられた。

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映像の構成、New Schoolの先生方の言葉

というわけで、「異年齢」とか「個別化」、「ペアワーク」「インクルーシブ」など話題の(?)キーワード満載のNew Schoolですが、これだけ長い映像なのに具体的なクラスや学校の運営方法だったり、How toのような、「すぐ使える」情報はほぼ入っていません!

むしろそういったキーワードは「新しい普通」の結果であって、形だけを真似ても同じようにはならないのだと思います。

でもこの「新しい普通」というのは、何か新しい技術や仕組みが必要になるような難しい事ではなく、「そもそも学校って何をする場所なんだっけ、どういう場所であって欲しいの?」という問いに対する大人達のスタンスによってその形ができてくるのだと思います(ほとんどの場合は子ども達にその選択肢が与えられていないと思うので…)

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今回は特にその事を、先生方のインタビューで強く感じました。映像でも、一日の流れの後に長いインタビューが続きます。ファウンダーのMaryと、MirandaとRebeccaの二人のメインの先生方、そしてディレクターのTamaraの言葉と、それを語る彼女達の姿が忘れられません。

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途中Maryが言うように、どれも新しいコンセプトや仕組みでなく、どこかで聞いた事のある内容だと思います。

でもね、「あー、これは本物だなぁ」と感じました。
そしてそれこそこの映像を通じて伝えたい事だなぁ、と。

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最後に

この映像が少しでも、日本の先生方や教育に携わる方々、そして保護者の方々にとって、「新しい普通」を見つけるためのヒントとなれば嬉しいです。

そして、ぜひ見るだけではなく、その後に対話をする機会を設けて頂くと、さらに色々な発見があるのではと思います。

実際にこの制作を通じて赤木先生と何度も話をする機会を頂いたり、何度か行った試写会での対話の中に、とても多くの学びがありました。

そんな使い方をして頂けたらと思います。


映像を公開しました!
https://vimeo.com/ondemand/newschoolofsyracuse


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