ラジオから別腹まで。わたしの映画体験
🎬 原風景〜ラジオからはじまる
白木の床
大きなテーブル
足踏みミシン
母は自宅で洋裁教室を開いていた
赤ん坊のわたしは
床に落ちてるまち針や縫い針を
器用に避けて
ハイハイしたとか、しなかったとか
そんな環境での“はじめての映画”は
ラジオ。
「第三の男」
「風と共に去りぬ」
「エデンの東」
「シェーン」
針仕事をする母の傍らで響いていたラジオ
そこから聞こえてきた「映画のサウンドトラック」は
映画館すらない田舎町で唯一、外の世界を感じさせた
ランドセルを背負う頃、テレビというやつが家にやってきても
子どもに観る選択権なし
相変わらず、ラジオから聞こえる映画音楽を
聞いていた。
🎬 モノクロームの景色
映像体験はというと
「犬の生活」
「街の灯」
「黄金狂時代」
土曜や祝日
誰もテレビを独占していない時間に流れていた
チャップリンやキートン
音と画、字幕だけの無声映画から
声なき声を聴き、ない色を想像する子
外で遊びまわるようになっても
それは変わらず。
ナントカロードショーよりも
どこか特別な時間だった。
🎬 巻き込まれていく景色
音と画と声
三つ揃った映画はじめは
ヒッチコック
「レベッカ」
「裏窓」
「知りすぎていた男」
音と
画と
声の中で
巻き込まれていく主人公と
見える景色に夢中になった
記憶にある映画館体験といえば
ガンダム
テレビシリーズから生まれた
劇場用3部作
見て知ってる話が
3作にまとめられる
そこではじまって
そこで終わる?の不思議
アイドル主演や○○賞受賞
盛大に流れる宣伝と
本編に感じるギャップ
不思議は“違和感”になった。
🎬 違って聴こえる!別腹の映画体験
同じ頃
テレビ放送される映画で
ラジオから流れてたあの曲たちを
画と台詞と一緒に聴いたら。
まるで聴こえ方が違った(!)
話はひとつで
同じもののはずなのに
全く別物にしか聴こえなかった。
一体わたしは何をみてる?
スクリーンから気づいたことは
巻き込まれるということ
スクリーンよりも先に
音から始まった映画体験が
巻き込まれる愉しみと
現実に残る違和感
1,303本観ていく中で感じてきた
音と
色と
声が
楽しみだけで観る映画と
それ以上の気づきや教訓を得る映画とが
あることを教えてくれた。
私の映画・原体験から
映画館体験まで。
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