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コーヒーが豆、と勘違いしている人が多い…


葡萄色に成長したコーヒーの果実
黄色い果実もある
写真左が焙煎する前のコーヒー生豆(種子)。右はそのコーヒー豆(種子)を焙煎して仕上げたもの。通常販売されているコーヒーはすでに焙煎されているため、こちらのコーヒー豆は見たことがあっても、左の生豆を見る機会は少ないかもね。


僕がコーヒー屋を始めた頃、コーヒー豆は売ってますか?とよく尋ねられた。まぁ確かに、コーヒーショップなので、コーヒー豆⁈ の販売もしていることには間違いない。売っていますかと尋ねられれば、はい、売ってます。と答えていた。そして〇〇gで〇〇円です。そういって袋に詰めて、売っていたことは事実だ。ところがしかし、よく考えてみてほしい。コーヒーは豆? ある日、コーヒー豆を買いにきたお客さんに聞いてみた。あのぉ、コーヒーを豆だと思ってるんですか? と。そのお客さんは訝しげに「はい」と答えた。ということは、コーヒー豆を栽培して、それを何かどうにかして、今目の前にある黒い粒になっていると思っているということですよね⁈ と聞くと、「そうではないんですか?」という問いが返ってきた。ということは、畑に撒いたコーヒーの種に肥料を与えて成長してくると、まるで枝豆やエンドウ豆、大豆、小豆、そら豆、落花生などなど、のようにニョキニョキと育った枝の先端についた鞘の中から、黒いコーヒー豆がぽろりと落ちてくる。あるいは、高く育ったコーヒーの木に、コーヒー豆がたわわに育ち、それをもぎとって、それがこのコーヒー豆だと思っているのでしょうか?「はい、そうではないのですか?」と逆に問いかけられてしまった。うぅ~、なんということだ。そうか、そうか、多くの人がそういう認識でコーヒーを飲んでいるのか⁇ となると、コーヒーって一体何?豆の飲み物なの?けどみなさん、もしコーヒーが豆だと思っているのなら、豆から抽出されたエキスを飲んでいると思っているんですか?それって、豆乳のようなもの?焙煎して焦げた豆から採ったエキスをを飲んでいる、そういうことなのか。しかし、そう思って飲んでいる人はコーヒーを美味しいと思って飲んでいるのか? その真相を突き止めるには、相当な労力が必要になりそうだな。

とにかく僕はその時のお客様にこう説明した。その時持っていた焙煎する前の緑色のコーヒーの種子を手に載せて見せながら、「コーヒーはコーヒーの木になる赤い実の中の種子を取り出して、それを洗ったり、洗わなかったり、発酵させたり、させなかったり、まぁ色々な作業を経て、このようなエメラルドグリーンの種子にして、袋などに詰め、海外などへ輸出されます。日本に届いたそれが、これ。このエメラルドグリーンの粒がいわゆるコーヒー豆⁈ と呼ばれているものです。このように、手にした種子を焙煎することによって、今飲んでいるコーヒーになるんですよ」と。すると、えッ⁉︎ コーヒー豆って翠色なんですか⁈ 初めから黒いものと思っていました。というよりも、フルーツだったとは、全く想像もしていませんでした(^◇^;)そうかそうか、まぁ、確かに、コーヒー豆といわれているものがフルーツと思うより、豆と思う方が素直かもしれない。


コーヒーの果実は、コーヒーチェリーと呼ばれる赤い実。または黄色、品種によっては赤紫色になるものもある。完熟した実を摘んで、中を見てみると、上記イラストのようになる。果肉の中に種子がふたつ入っているのが通常。その種子を取り出したのが、ページのはじめに載せた緑色の豆(種子)


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