「楽しさ」と「責任」は表裏一体。画面を介してユーザーと向き合う、ギフティエンジニアの最前線
(この記事は2023年に取材・執筆されたものであり、記事内の部署名や役職は当時のものです)
企業がキャンペーンなどを行う際に活用する「giftee for Business」。ツイッターやLINEなどのプラットフォームを利用して、手軽にeギフトを配ることができます。最近では、最大1,000種類のラインナップから好きな商品を選べる「giftee Box」も好評。ますますその利便性が高まっています。
そんな「giftee for Business」において、主にサービスの画面づくりなど、エンジニアとしてフロントエンドを担当してきたのが、入社6年目のKさん。自身の仕事について「ギフティのサービスが好きだから、いまも続けられている」と語ります。
Kさんが思うエンジニアの魅力、「楽しさ」と「責任」の関係など、インタビューを通して話を伺いました。
〈プロフィール〉
2012年大学卒業後、システム会社に入社し、約5年勤務したのち、2017年8月ギフティにジョイン。現在は技術本部Gift Experience dev Unitに所属。
「画面に責任を持てる」それがフロントエンドの醍醐味
──Kさんはギフティでどのようなことをやられてきたんですか。
最初は「eGift System」という、小売店さんがeギフトを生成するためのSaaS、そのシステムづくりに携わっていました。そこから変わって、直近では「giftee for Business」という企業さんがギフトを活用するためのシステム、そこのフロントエンドの部分を担当しています。
具体的には、giftee for Businessを使う企業さんが申込みをする際の画面や、実際にギフトを活用したキャンペーンを行うときの案内、そこからキャンペーン後のデータ集計などの精算の面、など一気通貫でできるようなシステムづくりですね。
ほかにも、ポイントを好きな商品と交換できる「giftee Box」を担当したり、とにかくgiftee for Businessをいかに使いやすくできるか、ユーザーにとって便利なものにできるか、を日々考えています。
──そのような仕事の中で、「楽しい」と感じたり、やりがいを感じたりするのはどのようなときですか。
「画面に責任を持てる」というのが、フロントエンドのひとつの楽しみだと思います。エンジニアリングにおける技術領域はさまざまありますが、僕はフロントエンドをメインにやっています。
自分が作ったものをそのまま人に見せられるので、「これ作ったんだよ」と人に自慢しやすいんですよね(笑)。技術領域の中でも「華がある」と言われるのはそういう理由もあると思うのですが、逆に責任も大きくて。
フロントエンドの場合、良くも悪くも自分の書いたコードが画面にダイレクトに表れます。仮にバックエンドでバグがあっても、画面の見た目には影響しにくいですが、フロントエンドでバグを起こすと、たとえば画面が真っ白になるなど、直接影響が出る。そういう意味で、非常に責任が大きい。
でもこの「責任」は、そのまま「楽しさ」にもつながっていて。画面に直接影響を与えるということは、それだけユーザーとの距離が近い部分を開発しているということ。責任と楽しさは表裏一体なんですね。そういうことを味わえるのが、フロントエンドの醍醐味のひとつではないかと思います。
「調べても分からないこと」はみなで一緒に考える
──それはハラハラしますね…。ある意味で重りにもなる「責任」が、Kさんの場合は「楽しさ」につながっていると。
はい。あと「責任」という意味では、どれだけ「ユーザー視点に立って考えられるか」という点も大切だと思っています。
ユーザーの立場に立って、いかに使いやすいか、ということを考え続けるのですが、開発しているときは当然、開発する側の視点にも立っているので、そこのバランスが非常に難しくて。
もちろん可能な限り、ユーザーの頭の中を想像しながらやりますが、いかんせん自分の知識や経験が入っているので、ユーザーに完璧になりきることは難しい。そういうときに、営業やディレクターの方と一緒に考えるようにしています。
ギフティでは、エンジニアと営業の距離感がとても近い。営業とコミュニケーションを取る中で「ユーザーさんは○○をやりたいと思っていて、だから△△な機能が必要だね」といった話をしたり。
エンジニアと営業のあいだで、距離や隔たりがある環境ってあると思うんですけど、ギフティにはそういうところはない。営業を介してユーザーが考えていることを知れたり想像できたりする環境というのは、エンジニアにとってはとてもありがたいです。
──エンジニアというと黙々と画面に向き合っているイメージがありますが、決してそうではないんですね。職種や役割は違えど、ユーザーの立場に立って一緒に考えていくと。
あとはもし仮に、ユーザーの側から「△△な機能が欲しい」と明確なオーダーが来たとしても、それをそのまま鵜呑みにしないということも意識しています。「なぜそれを必要としているのか」とか「それをやることでどういう課題を解決したいのか」と、ちゃんと深掘りをして納得感を得たうえで進めるんです。
そうでないと、顧客が本当に求めていたものと、異なるものが出来上がってしまうことがある。そのような齟齬が出ないよう、ユーザーの本質的なニーズを考えるためにも、エンジニアと営業で、しっかり話しながら進めていくほうが良いと思っています。
エンジニアの場合、誰かと話さなくても解決できることはたくさんある。技術的なことなどは自分で調べることで解決できることも多いですし。でも、実際に使う人がどう考えるかとか、どうやれば使いやすいデザインになるかとか、本当はなにに困っているんだろう、とかって正直調べても答えが出ない。
そういうところは、自分よりユーザーと近い距離で仕事をしている、営業の方やディレクターの方に積極的に相談します。当然、営業の側も答えを持っているわけではないので、一緒に考えるようにしています。
営業の側にしても、こちらに機能の実装などを要求する際には「これって技術的に難しいのかな」とか、いろいろ考えてくれている。それぞれステークホルダーごとに事情があるけれど、尊重しつつ、という感じ。
そういうことを、「ちゃんとやろう」とか「一緒にやろう」とか言わなくても、自然とできているのが心地いいです。僕が「責任」を「楽しさ」と捉えられるのも、こういう関係性があるからこそなのかもしれません。
「なくても困らない。でもあれば幸せになる」サービスの魅力
──Kさんがギフティでエンジニアを続けている理由は、やはりそういった環境の良さが関係しているのでしょうか。
はい。ただそもそも、僕はなによりギフティのサービスが好きなんですよね。入社した理由のひとつでもあります。
僕はゲームがとても好きで。ゲームって、別になくても生活はできるんですよね。ただ、あるとより楽しく、生活が豊かになる。ギフトもそれに似ていて、なくても生活はできるけれど、あることで日常が楽しくなったり、より人と人とのコミュニケーションが豊かになったりする。「ありがとう」という言葉だけでなく、そこにギフトもあることでより嬉しかったり、温かい気持ちになったりする。
たとえば、僕が以前に担当したgiftee Boxの話なんですけど。あるとき「どうやったらユーザーが楽しい気持ちになるか」「ユーザー体験の価値を最大化できるか」を考えた結果、アニメーションを導入することになったんですね。
giftee Boxを受け取ったときに、URLを開くとアニメーションが出てきて「あなたは○○ポイントをもらいました」と表示される。これって、別にアニメーションがなくてもポイントはもらえるし、機能的になにか特別な意味があるわけではないんですね。
でも、アニメーションがあることで驚きを感じてもらえたり、ちょっとでも幸せな気持ちになってもらえたりする。つまり、なくても成り立つけど、あったら嬉しい、というギフトの価値を体現したようなものなんです。
ギフトというのは、生活においてプラスアルファな存在であって、逆に言えば、マイナスが存在しない。ポジティブさしか生まないと思うんですよね。そこが良くて。エンジニアの仕事ももちろん好きだけれど、続けられているのは、その会社のサービスが好きだからというのもあります。
──Kさんのギフティ愛が伝わってきました(笑)
ただもちろん、そんなギフティにも課題はたくさんあります。エンジニアでいうと、これからフロントエンドに強みを持っている人をもっと増やしていく必要があります。
バックエンドやインフラには知識が豊富な人がたくさんいるので、フロントエンドのほうも手厚くしていきたい。そんな中、僕はフロントエンドに強みを持っている側の人間なので、社内の他のエンジニアの助けになれるよう、自分の持っているものを還元していきたいと思っています。
ギフティでは、エンジニアバリューの一つに「知見を贈り合う」というものがあります。それを体現するような技術の共有や支援を、自分が居るチームの範囲に留まらず、やっていきたいです。自分にできることがあれば、ギフティのエンジニア全体の力になれるよう、チャレンジしていきたいです。
僕はいまフロントエンドをメインにやっていますが、バックエンドもやります。選り好みせず、インフラ含め、どの領域にも携わっていきたいです。
──これからギフティにどんな人が入ってきてほしいですか。
フロントエンドに限った話で言えば、やはり 画面に直接影響を与える仕事なので、そこにやりがいと責任を感じられる人ですかね。「ユーザー視点」「ユーザー体験」を大切に考えていて、giftee Boxのアニメーションの話のように、「プラスアルファ」を全力で考えられる人。
あとは根本的な話ですが、ものづくりを楽しめる、ということも大事です。好奇心が旺盛で、図画工作が好きな子供みたいな人とかいいですね(笑)。でも、ちゃんとユーザー視点に立つことができる。そういう人と一緒に仕事をしたいと思います。
(取材・文・撮影・編集:清水 翔太)