見出し画像

こころのせいり

たまたま久方ぶりに恋愛映画、
もしくはドラマを見たくなった。

今まで自ら見るものは
ミステリー、もしくはドキュメンタリー。

離婚してからというもの、
離婚事由からか、男性に対する恐怖心や
異性間の問題を避けつつあった。
自ら現実からも逃避してきた。
なるべく接触しないように、
なるべく好意をもたれないように、
周りから注意されるように、
思わせぶりな態度をとらないように。

姉が勧めてくれたのは
「リコカツ」

途中まで見て気づいた。
どうしてだろう、昔のわたしなら
何事もなく男性に接するだろう。
どうしてだろう、
男性の挙動にビクビクしてしまうのは。
どうしてだろう、
どうしようもなく、骨の髄から男性が怖いのは。
大きくなりつつある、息子ですら
恐怖の対象になってしまうのは。

その答えが、「リコカツ」には合った。

今までずっと異性が怖いのは
幼少期からの体験だと、
それの影響だと信じて疑わなかった。

元夫との間にあった出来事の影響だとは
思わずにはいられなかった。

少なからず、それは影響していたかもしれない。

でも、もっともっとわたしの奥底で
わたしが気づきもしないところで
ずっとずっと息を潜めて泣いていた。

怖かったんだ

「狂ってしまうくらい愛してる。」

「好きすぎてどうにかなってしまいそうだ。」

そう、発言されることは多々あった。
でも、飽き性な上、縛られることを嫌う性格が
異性との付き合いは一年以上もたせたことはなかった。

初めて目にしたんだ、あの日あの時。

「好きすぎておかしくなる。」

そう言って、変化していく異性を。

「どうしたらいいかわからない。」

そう言って、嘆かれるその姿を。

「狂ってくくらい、愛してる。
 だからどこにも行かないで。
 ずっとそばにいて。
 露出はなるべく避けて。
 他の男性に見られることが、
 僕には耐えられない。」

「おかしくなりそうなんだ、君を好きすぎて。」

そう言って、夫は少しずつ変わっていった。

激しくなる束縛も、
激しくなる口論も、
激しくなる暴言も、
全部、全部。
自分の責任だと感じたことを
今でも鮮明に覚えている。

今まで穏やかだったこの人が変わったのは、
変わってしまった原因は、わたしにある。
そう、思わずにはいられなかった。

あの時からわたしは自信に欠けていた。

男性をここまで変えてしまう自分は
生きてはいけない、
愛されてはいけない。
愛される資格なんて持ってない。

そう、感じた。

だから、今でも異性との関係はもてずにいる。

怖いんだ、心の底から。
また狂ってく人の姿をみるのは怖い。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?