悪童の私が情弱になった訳
幼い頃、私は近所で有名な悪童だった。
爆竹に点火し、バスケットボールコートに投げ入れたり、
男の子と一緒に女の子のスカートをめくりに行ったり、
高いところから色々な物を落として、それぞれどういう風に落ちるのかを観察したり、
室内でバケツの水をひっくり返し、スケートごっこしたり、
ベランダから大量の紙飛行機を一気に飛ばして庭じゅう真っ白にしたり……
ヒヤッとさせるような危険な遊びもたくさんしたものだ。
それ故、焦った大人達に怒られたりぶたれたりすることは日常茶飯事だった。
子供がやんちゃ過ぎると、よく「親のしつけがなっていない」と思われがちだが、全てがそうではない。
生まれつきの素質というものもあるのだ。
例えば、同じ親の元で生まれ、育ったとしても、妹はとても落ち着きのある子だった。
気配りも出来、子供の頃から大人びていた。
二人で親戚の家にお邪魔しにいく時も、決まって叱られるのは私、可愛がられるのは妹だった。
昔、両親が用事でしばらく外出した時があったが、私達二人の預け先を探した際も、私より妹を引き取りたいという家が多かった。
私は手におえない子だったからだ。
しつけ時も、すぐに聞き入れ、従う妹と比べ、私は反抗したりすることが多かった。
大人達からしてみれば、かなり可愛くない子だったのだろう。
ついに、友達の家にいっても、親が「〇〇ちゃんはいません」と居留守される始末。
「〇〇ちゃんと遊んではいけません」の対象に、私はなってしまった。
そして更に、どんどん友達の成長に追い付かなくなった。
「幼稚だ、つまらないやつだ」と言われ、とうとう一人ぼっちになった。
今振り返ってみると、これには発達障害の影響もあったのではないかと思う。
それからは、「自分は愛されない子なんだな」と意識するようになった。
悪童だった頃の真逆で、今度は過剰に他人の顔色を気にするようになった。
あんな怖いものしらずだった自分が情弱になってしまった。驚きだ。
いつからいたずらしなくなったかは覚えていない。
でも、徐々に思慮深くなっていったのは確かだ。
自分の行動が及ぼす直接・間接な影響を考えて行動するようになった。
目の前にいる人に対し、なるべく困らせないようにするのはもちろん、見えなくても、自分の行いによって迷惑をかけてしまう人のことも頭に入れるようになった。
子供の頃は、そこまで考えられなかった。
ただ好奇心、衝動と欲に従って行動するだけで、後々の事なんてどうでも良かったのだ。
そして誰よりも自分の気持ちを優先した。とてつもなく自己中心な子だった。
自信喪失し、自己嫌悪になってしまったのは悲しいことだが、ひょっとしたら、ここまで徹底的に嫌われないと、私はまともな大人になれなかったかもしれない。
不幸中の幸い、というべきだろうか。
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