博士号持ちが数年企業に勤めて感じたこと

この記事を書いている人のプロフィール


国立大学で博士卒(理系)(20年4月新卒で入社)
インターン経験無し
学振取ったことない(笹川が1度だけ)
従業員数万人越えの企業で開発職に従事
研究職の実情はわからない
業務と博士時代の専門との関連性は弱い

2年もかかって「あ、会社はこういうことを求めているんだな」というのをぼんやりと見いだせた気がする。この2年間、「何かがかみ合わない」という思いにさいなまれてきていた。
私のように「博士号取得後、企業に入社(インターンは未経験)」という人に何かメッセージが届けば良いと思う。有料にするが、それ相応に考えることや仕組みなどを盛り込みたい。
ただやはりというか、複雑な事情が絡んでいる(と思っているし、それを表現しようと思っている)ため、少々わかりにくい文章になってしまうかもしれない。N=1だが、それなりに妥当な内容なんじゃないかと思っているし、何か考えるきっかけになればうれしい。

会社でやる仕事(と私が思っていること)

ちなみに弊社の業務に関しては一切記載しない。一般的なことに徹して書く。
そもそも会社では(私がいた)研究室みたいに個人がそれぞれの研究テーマを持ってディスカッションしながら研究計画を立てて進めていくスタイルとは異なる。
どちらかというと部署が担当する一つの具体的な開発目標、例えば新しい機種や装置などがあり、それをチームメンバーで協力しながら開発していくスタイルになる。Aさんはこのデータとって、Bさんはこのデータとって、Cさんは解析ツール作って、みたいな。そういうスタイルで研究している人もいるかもしれない。
「チームメンバー」というのは何も自分が所属している部署だけの話ではない。よその部署や部門、子会社など様々な人と協力して、進捗を確認・共有し、技術的やデータ収集に協力しながら開発を進める。基本的に同じ会社、子会社の人は「開発におけるライバル」ではなく「働きかければ協力してくれる仲間」である。

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