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ウェクスラー検査の「ASD(自閉症)」の位置付けの変遷とか下位検査「理解」を考える

11日はボスの講演を聴きに行った。主催はS.E.N.S(特別支援教育士)の会北海道支部会の会北海道支部会。一応,S.E.N.Sスパーバイザーの資格は持っているのだが,ペーパー支援士。本に専門が特別支援教育と書かれていて違和感が🫣
敷居が高かったのだが,ここは弟子として聴き行かねばと出かけた。  
 ボスのテーマは,「北海道の特別支援教育~支援とは何か~」・・・支援と援助はもう少し深く聴きたかったな。
 30分後にはギフ寺があるのでダッシュで移動。

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二つの講義で,自閉症について話をするので,いろいろとウェクスラーの臨床群と検査から見える自閉症について検討を加えていた。

WISC-ⅣとWAIS-Ⅳでは,自閉性障害アスペルガー障害の二つの群に分けられたいた。

WISC-ⅤはDSM発行に伴いASDと単一の診断基準まとめられ,以前自閉性障害とアスペルガー障害を以下の2つの群に分けた。
•言語障害を伴う自閉症スペクトラム障害(ASDーL)
•言語障害を伴わない自閉症スペクトラム障害(ASDーNL)

•検査を完了するための十分なコミュニケーションスキルを有しているという条件から,中度から重度の知的障害を伴う自閉症スペクトラム障害は除外。
スペクトラムと言われればそうだが

指標得点を眺めるとASDーLは言語理解ワーキングメモリーが弱み,ASDーNLはワーキングメモリー処理速度が弱み。これだけでも妄究の世界に入れるのだが,

下位検査で注目したのがそ「理解」
両群とも低得点(ASDーNLの言語理解は平均にもかかわらず)

久しぶりにウタ・フリスの「自閉症の謎を解きかかす」を紐解く古典ですね。
下位検査で成績の悪い方の極は,「理解」,成績の良い方の極は「積木模様」と。理解は社会的コミュニケーションの脆弱性を反映するわけだ。

WISC-Ⅲの問題に「ゆびをケガしたらどうしますか」という趣旨の質問に
•月曜日から金曜日は保健室,土日はお母さん
•痛くて泣いちゃう
•血が出ちゃう
という答え方をしていた。

まさしく状況把握の弱さとそれに基づいた対処能力の弱さ。だからパニックになる。

Ⅳでも使われている問題の中でも,自分経験したことでないと答えられない。いわゆる高機能のお子さんが「きついなー,経験したことないからな」と。まさしく「想像力の欠如」。

Ⅴになると「理解」は補助問題になり,実施するかどうかは検査者のセンスかな。

情報処理障害というのは何か?考える意味はあるな。

この話は続くだな。

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