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神田伯山の講談会に行った話🪭推しの現場ってこういうことかー(違う)

今一番チケットが取れない講談師、神田伯山。たしかに私もこれまで5回応募してことごとく落選していた。だけど6回目の正直!当たったの!
(おめでとう私〜)

初めての講談会。好きになりそうな芸能と芸能に関わる人たち。ミーハーな私はどう感じるんだろう。私はこれからどうなるんだろう。

今回は最近でいちばんわくわくした話です。

🪭

5/22当日は在宅勤務にしてベスト・コンディションで講談会に行けるように調整をしていた。が、打ち合わせが長引いて開演前ぎりぎり3分前に会場に到着。最初の講談は神田伯山の弟子の青之丞の一席。ちょっと息が上がっていたけど無理やり抑えていたら幕が上がった。

youtubeで神田伯山の講談を見たことはあったけど生は初めてだったので新鮮だった。敢えて例えるなら映画と小説の中間のような動きのある物語が目の前で繰り広げられているような。何歳くらいかな、爽やかな青年。自分と同年代の方が古典芸能で頑張っているのって素晴らしい。

その後は神田伯山。子供、やくざの親分、賑やかしの子分、その演じ分けってどうなってるんだろう。ころころと色んな人が出ては引っ込んで、中国舞踊の仮面が一瞬で変わる芸のように瞬時に全く違う表情を見せる話し方に惹き込まれた。特に子供が自身の生い立ちと母親との関係を説明する場面では、無垢な子供の愛らしくそのいじらしさにジーンとなっていた。いつも聴いてる神田伯山のラジオと違うぞ!(それは違うか)

一龍斎貞奈は女性の方で明るく自由なキャラクターが素敵だった。同年代の方か!と思ったら少しお姉さんでした。私はずっと理系で歴史の勉強をサボっていたけど、日本史も面白いなーと思える話。実話なのかな。

貞奈さんの講談が終わるとお客さんがぞろぞろと外に出て行ったので、私も出る。入り口にはラジオでお馴染みのにゃんにゃんこと本物の太田胃にゃんがいた!私の胃も救ってほしいよ、にゃんにゃん。

太田胃酸の広報にゃんこ中と小


休憩後はトリの神田伯山が出てきて、今度はもう夏ですね、ということで怪談話。祟りやお化けというのは、人間の後ろめたい感情が潜在的に作り出す幻想に過ぎない。それでも、その幻想によって一人の悪人が蝕まれて狂っていくまでを描いている講談「宗悦殺し」は、内容もその場の空気も薄ら寒くって、でも身を乗り出して聴いてしまうほど緊迫した講談だった。会場中がしん……となる瞬間があって、生で聞けるって良いなあと思った。

(直後隣の人のお腹の音が聞こえて、あ…となったのはここだけの話)

その日の神田伯山のtwitter。

初めの枕で話していたお師匠の話、この場限りで秘密にしてくださいね、って言っていたのにラジオで本人が言っていた!

終わって帰る時に、ロビーで私の前に歩いていた通っぽいお客さんが、「最後の講談は本当はもっとエピソードがあったんだけど、伯山が時間調整のためにカットしたんだよね〜」と話していて、その自慢げなのも良かった。好きなんだろうな。

こんな世界があるんだなって思った数時間だった。また応募しよう。久しぶりにきた都心は夏まではもう少し、梅雨始まりの匂いがした。

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