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ディーラーと色々あった話 〜車を維持するのも難しいねアラサー女子〜

通勤で使うために車を買ったのだが、せっかくだし好きな車に乗りたいなと思って輸入車を中古で買ったことからこの話は始まった。

安全第一、安心に少し高めにお金を払っても良いよね、と思い正規ディーラーで気に入った車を購入し、車検もディーラーにお願いして楽しく数年乗ったある日。そいつはきた。エラーランプが点灯したのだ。

当然のことながらこれまでお世話になっていた購入元のディーラーに相談すると、原因はどうもはっきりしないと言う。原因究明と原因が分かったあとの修理の工賃、原因①のための部品代、原因②のための部品代、原因③の……なんやかんやでの作った見積り書を見せにくそうに、担当者は私に差し出して何か言った。


 (ごにょごにょ)

 …….ん、なんでしょう?

 んじゅー万円です()(軽自動車が余裕で買えそうな金額でした)


到底はい、払います。とはならず、がんばっても厳しい額だったので持ち帰って考えますと言って都内の車種専門ガレージに相談しに行った。セカンドオピニオンを貰いに行ったのだ。気に入ってる車なのでまだ乗りたいし、乗れるはず!と。

ちょっと緊張して行ったガレージは、オタクみたいな話し方と油で真っ黒な手が印象的な優しそうなおじさんがじっくり話を聞いて車を見てくれた。

ガレージのおじさんの答えは、以前ディーラーに替えてもらった部品が原因ではないかとのこと。原因④だったのだ。マニアックな修理のコツを嬉しそうに話しながらおじさんは、これならディーラーの提示してきた金額の1/10で治せるよ、まだ全然乗れる車だしと言ってくれた。ただ、ディーラーに替えてもらった部品であることと部品の保証期間内ならクレームとしてディーラーで修理してもらった方が良くない?とありがたいアドバイスまで。

ガレージのおじさんが見てくれている間、当のディーラーからは乗り換えのおすすめ、良い新古車があります、今売るとこれくらい、来月売るとこんなに下取り金額が下がっちゃうよ?…という営業の連絡が電話もメールも来た。今までディーラーと良い関係を作れていたと思っていたから、私の意思を全然尊重してくれない営業の方に色々通り越して悲しくなってしまった。

営業の嵐に閉口しながら私は、ディーラーに、すみませんがこう言う結果がガレージで出たのでディーラーさんでもう一度修理をお願いします、と車を持ち込んだ。

ありがたいことに修理してはもらえたのだが、ディーラーの担当者はガレージのおじさんがした応急処理や修理計画、対処方法、どれを取っても不満らしく、そんなことは出来ません、聞いたこともありません、の一点張り。

おじさんが言っていたことを思い出した。輸入車のディーラーは整備士はなかなか人が育たないと。若く経験の少ない人がマニュアル通りの対応をして、ある程度まで育ったら昇進して本部の組織へ行ってしまうのではないか。若い人たちも経験がないから、マニュアルから外れた裏技を聞いてもムッとするだけで根本は理解できてない。せっかく性能の良い診断機があるのにもったいないねえ。

(ディーラーだから、正規品の正攻法でしか)出来ません、じゃなく、(自分の知識=世の中に存在する修理方法 だし)普通あり得ないでしょ、という言い方をされて、ガレージのおじさんが言ってた通りだと思った。他の業種でも少なくとも国内メーカーは経験を大事にしている風土がある。そのことを私は仕事の諸先輩方から学んでいたので、いち技術者としてそのディーラーのやり方に少し落胆した。

輸入車の販売元である海外、特にヨーロッパはエコを推進する意識が強いのに、一台の気に入った車を長く乗り続けたい、というごく当たり前の客の希望を頭から否定して新しい車を買わせようとするのって矛盾していないだろうか。しかも排気量はそんなに変わらないのにね!

ちまたでは当然らしい「ディーラーは車を売るところであって修理するところではない」を身を持って学んだのだった。

とりあえず私のかっこいい車はまた安心して乗れるようになって、何はともかくよかった。自分の無知には謙虚に、他人の疑問には真摯に向き合える人間になりたいなと思った出来事でした。

以上、架空の話と私感たっぷりでお送りしました。

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